勉強習慣と一緒に育てたい“考える力”とは?
子どもに「しっかり勉強してほしい」と願うのは、
すべての保護者に共通する思いではないでしょうか。
しかし、ただ「勉強しなさい」と言い続けても、
学習が習慣化されなかったり、
成績が思うように伸びなかったりするケースも少なくありません。
そこで、今回のテーマは「考える力」。
実は、勉強習慣と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが、
この“考える力”を育てることです。
なぜ『考える力』が今、必要なのか?
AIやインターネットが発達した現代。
答えはすぐにスマートフォンで検索できる時代です。
しかし、その一方で「自分の頭で考えて答えを出す力」が
ますます問われるようになっています。
たとえば、学校の勉強では正解のある問題が多く出されますが、
社会に出ると「そもそも何が問題なのか」を考える力が求められます。
正解のない課題に向き合い、自ら問いを立て、情報を集め、
取捨選択し、仮説を立てて検証していく。
このプロセスこそが“考える力”の本質であり、
将来の自立に欠かせない力なのです。
『考える力』は一朝一夕では育たない
よく「考える練習をすれば、すぐにできるようになる」と思われがちですが、
それは誤解です。
考える力とは、
日常的に問いを立てたり、なぜ?と深掘りしたり、
複数の視点から物事を見たりする中で、徐々に育まれていくものです。
つまり、短期的なテクニックではなく、長期的な積み重ねが必要なのです。
毎日の勉強の中で
「この問題のポイントは何か?」
「どうしてこの答えになるのか?」
「他のやり方はあるか?」と問いかけを繰り返すことで、
少しずつ考える土台ができていきます。
また、親や先生が先回りして答えを教えるのではなく、
子ども自身に「どう思う?」「なぜそう考えたの?」と聞く姿勢も重要です。
このやり取りの中で、思考の柔軟性と深さが育っていくのです。
『考える力』が育つと、子どもはどう変わる?
考える力が身につくと、
子どもは「わからないこと」に出会っても、立ち止まることが減ります。
「どうすればいいか」「どこを見直せばよいか」「他に手段はあるか」と、
前向きに問題解決へ向かう姿勢が自然と育まれていきます。
それはつまり、「自分で学ぶ姿勢=自立学習」の基盤になるのです。
さらに、考える力を持った子どもは、
単なる暗記ではなく、知識を応用したり、
発展的に使ったりすることができるようになります。
たとえば、
算数の文章題に対して「この問題の構造は以前やったあの問題と似ている」
と関連づけて取り組んだり、
国語の読解問題では
筆者の意図を自分なりに解釈したりすることができるようになります。
成績だけでなく、
「自分の頭で考えることが楽しい」と感じるようになり、
学習へのモチベーションも高まっていくのです。
今日からできる“考える力”の育て方
では、家庭や塾でどのように“考える力”を育てていけばよいのでしょうか。
以下のような習慣が効果的です。
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答えよりもプロセスを重視する会話:「なんでそう考えたの?」という質問で、思考の整理を促す。
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間違いを振り返る時間をつくる:なぜ間違えたのか、どこでつまずいたのかを一緒に考える。
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複数の答えがある問題に触れる:ディスカッションや自由記述などで、自分の意見をもたせる。
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親も“わからない”を共有する:「お母さんもこれは悩むなあ」と話し合い、一緒に考える文化をつくる。
子どもの“未来を生き抜く力”を育てるために
私たちは「点数を取ること」や「いい高校・大学に入ること」ばかりを目標にしがちです。
しかし、それらは通過点にすぎません。
これからの社会をたくましく生き抜いていくために、
本当に必要なのは「自分の頭で考える力」なのです。
そしてその力は、日々の勉強の中にこそ育つ種があります。
勉強習慣と並行して、“考える”ことを楽しみながら、
少しずつ自立への道を歩んでいけたら、
それこそが私たち大人が子どもたちに贈れる、
最も大きなプレゼントではないでしょうか。


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