過去問得点が安定しない問題
受験が近づくこの時期、
多くの生徒が最も悩むのが「過去問の点数が安定しない」という問題です。
ある日は合格ラインに届くのに、別の日は大きく下回る。
問題との相性かもしれないし、たまたまかもしれない。
しかし“安定しない”という状態は、
そのまま本番につながる大きな不安材料でもあります。
長年受験生を見てきましたが、
点数が上がらない理由より、
点が“上がった日と下がった日”の差に注目する方が、本番で成功する可能性が高い
ということがわかっています。
この記事では、過去問の点数が安定しない原因と、
今日からできる改善策、そしてやってはいけない勉強法を明確にお伝えします。
■ ① 点数が安定しない最大の理由は「実力の凸凹」ではなく“戦い方”
「実力がないから点が安定しないのでは?」
と不安になる生徒は多いですが、実はそうとは限りません。
点数が安定しない原因の多くは、
“どの問題から解くか” “時間をどう使うか” “どこで踏ん張るか”
という「戦略のブレ」にあります。
受験生を見ていて最も多いパターンは、
-
解けそうな問題を追いかけすぎる
-
時間配分のミスで大問1つ丸ごと落とす
-
苦手単元に時間を使いすぎる
-
「点を取りに行く」より「全部解こう」としてしまう
つまり、実力ではなく、戦い方が日によってバラバラなのです。
入試本番で求められるのは、満点ではありません。
“合格点を安定して取る能力”です。
この視点を持てるかどうかが、点数の安定につながります。
■ ② 点数が安定しない原因は4つに分類できる
過去問指導をしていると、点数の波が大きい生徒には共通点があります。
それは、失点の理由が「毎回違う」ことです。
原因を次の4つに分類すると、改善すべきポイントがはっきり見えます。
① 時間配分のミス
・最後の大問が丸ごと解けていない
・解き始めが遅い
・難問に粘りすぎて時間を溶かす
②解く順番のミス
・本来得点源にすべき問題を後回し
・苦手分野を先に解いて消耗
・簡単な問題を飛ばしてしまう
③ 精度の問題(ケアレスミス)
・計算ミス
・問題文の読み落とし
・記述の抜け
④ 単元の穴・知識不足
・毎回同じ大問で落とす
・特定分野の正答率が極端に低い
点数が不安定な生徒は、
③と④だけでなく、①と②の「戦略要素」が原因になっていることが最も多いです。
つまり、点数の安定には、単なる勉強量ではなく、
“当日の動き方”そのものの見直しが必要なのです。
■ ③ では、点を安定させるためには何をすればいいのか?
点が不安定な生徒ほど、
過去問を「解きっぱなし」で終わらせてしまっています。
しかし本当に伸びる生徒は、“解いた後の2〜3倍の時間を使って復習する”ほど、
分析に力を入れています。
まずやるべきはこの3つです。
● 1.最初に“合格点との差”を確認する
いきなり解き直すのではなく、
「あと何点必要だったか」を見ることが重要。
5点差なら戦略調整で届く可能性が高く、
20点差なら単元の再学習が必要、と見える。
● 2.問題の“捨てどころ”を決める
すべての問題を解こうとすると点数は安定しません。
特に中学受験・高校受験では、“飛ばす勇気”が合格への必須スキルです。
✔ 時間をかけても正答率が低い問題
✔ 記述で配点が低いのに難易度が高い問題
✔ 苦手分野の最難問
こうした問題は戦略的に飛ばす方が得点が安定します。
● 3.“正答率の高い問題”を確実に取りに行く
反対に、
「本来取れたはずの問題」こそ安定のカギです。
・計算
・基礎知識
・標準レベルの文章題
・簡単な記述問題
これらを100%取りに行く意識があるかで、合格可能性が大きく変わります。
■ ④ やってはいけない勉強3つ(成績がぶれる原因)
過去問の点数が安定しない子が“やりがち”で、
しかし逆効果になってしまう勉強を3つ紹介します。
❶ 苦手単元だけを延々とやり続ける
苦手分野の克服は大切ですが、冬は時間が限られています。
苦手ばかりをやると、
-
得点に直結しない
-
時間が消える
-
自信が削られる
となり、点数が安定しません。
❷ 過去問を「量」で押し切ろうとする
1日1年分、毎日解く生徒がいますが、
問題集ではなく「本番想定の訓練」なので、量より質が重要です。
復習が浅いと
→ 同じミスを繰り返し
→ 点が安定しない
という悪循環に入ります。
❸ 得点状況を「感覚」で判断してしまう
伸びない生徒ほど、
-
「今日はたまたま良かった」
-
「今日はたまたま悪かっただけ」
と感覚で処理してしまう傾向があります。
成績が安定する子は、
必ずデータで振り返るという習慣があります。
・大問ごとの得点
・正答率
・時間の使い方
・ミスの種類
・苦手単元の偏り
——ここまで見て、初めて改善が始まります。
■ ⑤ 最後に:点数の“安定”は、合格のための最強の武器
過去問の点数がぶれるのは、実力不足ではありません。
ほんの少しの戦い方の調整で、驚くほど安定します。
そして点が安定し始めた瞬間、受験生の表情は変わります。
自信がつき、焦りが減り、勉強の質が一気に上がるからです。
過去問は
「点を取る練習」ではなく「戦い方を確立する練習」
です。
今日からの1つの改善が、あなたの本番の点数を大きく変えてくれます。
焦らず、着実に、自分の“勝ちパターン”を作っていきましょう。

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