2026年11月1日日曜日

11月に成績を伸ばす子は『やること』より『やらないこと』を決めている?

 

トライプラス諸口校 学習ブログ

11月に成績を伸ばす子は
『やること』より『やらないこと』を決めている?

学習の予定が増えて回らなくなったときに、見直したいこと

期末テストや受験が近づくと、「もっと頑張らなければ」という気持ちから、勉強の予定が少しずつ増えていきます。学校ワーク、塾の宿題、新しい問題集、まとめノート。どれも大切に思えるものばかりです。ところが、予定を増やした結果、丸つけや解き直しまで手が回らなくなるという場面は、決して珍しくありません。

もっと頑張ろうとする気持ちは、とても大切なものです。ただ、新しいことを追加する前に、今の予定の中に整理できる行動がないかを確かめてみる価値はあります。この記事でお伝えしたいのは、勉強を減らすことではありません。理解、演習、解き直しという「今必要な学習」を最後まで行うために、時間を作る考え方です。なお、テスト日程や課題の内容は学校によって異なりますので、ご家庭の状況に合わせて読み替えてください。

「やらないこと」は、3つに分けると決めやすい

「やらないこと」と聞くと、「やめる」ことだけを想像しがちです。けれども実際には、次の3つに分けて考えると、無理なく決めやすくなります。

① 今は追加しない

例:今の教材に必要な練習があるなら、新しい問題集の購入や着手を見送る。

② 取り組み方を変える

例:全問の解説を写す代わりに、迷った理由を短く記録し、自力で解き直す。

③ いったん保留し、再開条件を決める

例:難問で止まったら印をつけ、質問する内容を残して、別の課題へ進む。

大切なのは、永久にやめることと、一時的に保留することを混同しないことです。「今は後回しにするが、この条件がそろったら戻る」と決めておけば、必要な学習を手放すことにはなりません。また、何を「しない」にするかは、お子さんの学習状況に応じて変えてかまいません。ある時期に合っていた方法が、次の時期には合わなくなることもあります。

なお、行動の見た目だけで「無駄」と判断することはおすすめしません。見るべきなのは、「何のために行い、何を確認できたか」です。休憩、睡眠、必要な支援は、削る対象ではありません。

見直したい5つの学習行動

① 教材を増やして、安心しようとする

複数の教材に少しずつ取り組み、どれも確認が途中になっている場合は、教材が「安心材料」になっている可能性があります。新しい教材を使う前に、「今の教材で何が不足しているか」「追加した教材のどの範囲を使うか」「丸つけや解き直しまで行う時間があるか」の3点を確かめてみてください。教材の追加そのものを否定するものではありません。説明が合わない、必要な類題がない、目標に合う練習が足りないといった場合は、先生に相談して選ぶのがよい方法です。「1冊を完璧にするまで絶対に他を使わない」といった固定ルールにする必要もありません。

② ノートを作ることが、学習のゴールになる

色分け、清書、解説の書き写しに時間を使い、答えを見ずに試す機会がなくなっていないでしょうか。ノートには、関係を整理する、考えを残す、後で確認するという役割があります。きれいに書くことや色を使うことが、一律に無駄というわけではありません。ポイントは、書く量を減らすことより、理解と確認につながっているかを見ることです。

「解説をすべて写す」
→ 「自分が迷った点と必要な考え方を短く記録し、解説を閉じて解く」

「テスト範囲の全文を清書する」
→ 「必要な関係を図や表で整理し、見ずに説明できるか試す」

③ 難問1問に、学習時間を全部使う

自分で考える時間は大切です。ただ、手がかりがない状態で長く止まり、ほかの課題が進まないときは、対応を変えるタイミングかもしれません。たとえば、次のように進めます。

どこまで分かったかを残す → 分からない条件や手順に印をつける → 解説や先生のヒントを使う → 説明の後に、自力で解き直す

何分で保留するかは、目的や問題に合わせて決めます。思考力を育てる演習と、テスト前に広く確認する演習とでは、時間の使い方が違うからです。「すぐに答えを見る」ことも、「難問はすべて捨てる」ことも、おすすめしていません。

④ 全問を、同じ回数だけ繰り返す

自力で安定して解ける問題と、迷いや誤りが残る問題を、同じ扱いで繰り返していないでしょうか。「自力で解けた」「正解したが迷った」「解説やヒントが必要だった」のように簡単に記録しておくと、次の復習を調整しやすくなります。一度正解した問題も、日を空けた確認に混ぜておくと安心です。基礎の反復は大切であり、「正解した問題は二度と解かない」という意味ではありません。学校や塾から指定された課題の扱いを変えたいときは、自己判断せず先生に相談しましょう。

⑤ 予定の遅れを、全部翌日に持ち越す

できなかった予定を翌日へ積み上げ続けると、計画が実行できる量から離れていきます。翌日の予定を組むときは、「期限」「目標との関係」「必要な理解や確認」を見て、移す、量を調整する、相談する、のいずれかを選びます。提出物や必要な受験科目を、独断で放棄するという意味ではありません。また、睡眠や休憩を削ってすべてを終わらせようとすることも、避けたい選択です。

「やらないこと」と「代わりにすること」をセットにする

「しない」と決めるだけでは、空いた時間が何にもつながりません。次のように、代わりの行動と、確かめることまで一緒に決めます。

今はしない・変えること 代わりにすること 確かめること
新しい問題集への着手を保留 今の教材の誤答を解き直す 類題を自力で解けるか
解説の全文書き写しを減らす 迷った点を短く記録して解く 解説なしで考え方を再現できるか
難問に止まり続けることをやめる 質問内容を残して次へ進む 説明後に解き直せたか

空いた時間を、必ず別の勉強で埋める必要はありません。もともと予定が過密だった場合は、休息や調整のための余白にしてかまいません。見るべきなのは学習量の多さではなく、必要な確認まで進められたかです。

実行するための4ステップ

1時間がかかった学習行動を1つ選ぶ

最近、時間がかかったと感じる行動を、1つだけ選びます。

▼

2目的と、確認できたことを確かめる

その行動は何のためで、実際に何が確認できたのかを振り返ります。

▼

3追加しない・変える・保留するを選ぶ

3つの整理方法のうち、今の状況に合うものを選びます。

▼

4代わりの行動を試し、数日後に確認する

解き直しや再現ができたかなど、結果を見て調整します。

大切な学習を減らしていないか、必要に応じて先生と確認してください。また、一度決めたルールに固執せず、理解や学習結果を見ながら修正していくことも大切です。

保護者の方の声かけ

お子さんの勉強が心配なときほど、つい言葉が強くなりがちです。次のような言い換えを、参考にしてみてください。

こう言いたくなる

「もっと勉強を増やしたら?」

「そのノート、作る意味があるの?」

「終わるまで寝てはいけません」

「それは無駄だからやめなさい」

こう言い換えてみる

「今の予定で、解き直しまでできている?」

「このノートを使って、何を確認する予定?」

「期限と必要な課題を確認して、予定を組み直そうか」

「今の目標に合っているか、一緒に確かめようか」

お子さんが大切にしている方法を、理由を聞かずに取り上げることは避けたいところです。まずは「どうしてその方法にしているの?」と尋ねてみてください。そして、減らした作業量だけでなく、自力でできるようになった内容にも目を向けていただけると、お子さんの安心につながります。

この記事のまとめ

  • 学習行動を、目的と成果に照らして選ぶ
  • 追加しない・方法を変える・保留するを使い分ける
  • 必要な理解と解き直し、休息の時間を確保する

まずは今日の予定から1つだけ見直し、「今はしないこと」と「代わりにすること」を書いて試してみてください。小さな見直しでも、解き直しの時間が生まれるかどうかを確かめる第一歩になります。

寄り添うだけで、終わらない。

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