中学受験と子どもの心
中学受験を目指す日々の中で、ついこんなふうに思ったことはありませんか?
「この子、最近自信をなくしているかも…」
「私の言葉がプレッシャーになっていないだろうか?」
「頑張っているのに、もっとやれと言ってしまう自分が嫌になる…」
受験期はどうしても結果に目が行きがちです。
でも、今いちばん大切にしてほしいのは、お子さんの“心の土台”=自己肯定感です。
今回は、「自己肯定感が下がってしまうのでは…」という保護者の悩みに寄り添いながら、
家庭でできる具体的な対策をお伝えします。
自己肯定感が下がると、どんな影響があるの?
自己肯定感とは、「自分には価値がある」と感じる気持ちのこと。
これは子どもの勉強だけでなく、人生全体を支える大切な心の土台です。
自己肯定感が低くなると…
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失敗を極端に恐れる
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他人と比べて劣等感を抱く
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新しいことに挑戦できなくなる
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「どうせ無理」と自信を失う
といった状態になり、せっかくの能力ややる気を発揮できなくなってしまいます。
「どうすれば結果を出せるか」よりも、「どうすれば心が安定するか」が、
実は受験勉強の大前提なのです。
善意の言葉が、子どもを追い込んでしまうことも
「あと少しでA判定だったのに、惜しかったね」
「このままだと志望校は厳しいかも」
「○○ちゃんは成績が上がってきてるって」
こうした言葉は、励ましのつもりでかけていることも多いでしょう。
でも、
子どもには「もっと頑張らないとダメ」「認められていない」
と感じさせてしまうことがあるのです。
大切なのは、「結果」よりも「過程」や「努力の質」に目を向けること。
たとえ模試の結果が思わしくなくても、
努力している姿勢に対して、きちんと愛情ある言葉をかけることが大きな支えになります。
自己肯定感を守るために、親ができる3つの具体策
1. 「結果」ではなく「過程」を認める声かけを
たとえば…
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「難しい問題も最後まで粘ってたね」
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「自分から解き直ししてて、すごいね」
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「コツコツ続けてるところが本当に立派だよ」
こうした声かけは、
“できたかどうか”ではなく“どう取り組んだか”を評価するもの。
これは自己肯定感の向上に直結します。
努力の内容や工夫を言葉にして認めることで、
子どもは「やってよかった」と実感し、次の一歩に自信を持てるようになります。
2. 他人と比べず、過去の自分と比べよう
つい、他の子の成績や様子が気になってしまうこともありますよね。
でも、子どもに伝えるべきなのは、「昨日の自分との違い」です。
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「前は30分しか集中できなかったけど、今日は1時間できたね」
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「漢字ミスが減ってきたね。成長してる証拠だね」
このように、成績以外の「変化」や「工夫」を見つけて褒めることで、
子ども自身も自分の成長に気づけます。
3. 「頑張らなくても愛されている」と感じられる時間をつくる
受験期はどうしても「勉強中心」になりがちです。
でも、「勉強と関係のない会話」や「くつろげる時間」を、
意識的に持ってみてください。
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好きなテレビ番組の話をする
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一緒におやつを食べながら雑談
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布団に入ってからのたわいないおしゃべり
こうした時間は、
「自分は成績に関係なく大切にされている」と感じるための栄養になります。
親こそ「失敗」を受け止める役割に
失敗したときこそ、親の出番です。
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「うまくいかなかったけど、挑戦したのはすごいよ」
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「今回は悔しかったね。じゃあ次はどうしようか?」
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「次もまた一緒にがんばろう」
そんなふうに、
失敗を一緒に受け止め、前向きに切り替える力を育てるのも、
親の大切な役割。
失敗=悪ではなく、「成長の途中」と捉えられるようになれば、
子どもは自信を失わず、前に進めるようになります。
まできる」より「信じられる」ことが子どもを強くする
中学受験は、子どもにとっても、保護者にとっても、大きな挑戦です。
でも、受験の合否よりもずっと大切なのは、
「自分には価値がある」と信じられる心を育てることです。
今日から少しだけ、
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声かけの視点を変える
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子どもの“変化”に注目する
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失敗を一緒に受け止める
──そんな関わり方を、意識してみてください。
きっと、お子さんの表情や言葉が、少しずつ変わっていくはずです。


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