最初に直すべきこと
難しい問題が解けても、点数が伸びない
模試の結果が返ってきたとき、偏差値や合計点だけを見て「次は何を頑張ればいいのだろう」と迷われるご家庭は少なくありません。
例えば、数学の模試で正答率の低い問題を1問解けた一方、正答率が高めの基本問題を複数落としていた、という場面を考えてみます。(説明用の仮の場面です)
難しい問題に挑み、解き切れたことは、しっかり認めてよい頑張りです。そのうえで、次の復習では、取りこぼした問題にも目を向けてみませんか。「みんなできているのに」と責めるためではなく、次の学習で何を変えるかを見つけるために、です。
正答率50%とは、何を示している?
対象集団が100人で、そのうち50人が正解した問題の正答率は50%です。
- 本人の得点率ではありません
- 「次に正解できる確率」でもありません
- どの集団の割合かは、成績資料の説明で確認しましょう
正答率が高めの問題で失点したときは、復習候補を探す手がかりになります。ただし、受験者層や問題形式で正答率は変わりますし、本人にとって未習の内容や得意・不得意もあります。50%は目安の1つであり、「50%以上=簡単」「50%未満=不要」と決めるものではありません。数字だけで理解度や能力を断定しないことが大切です。
最初に直すのは「ケアレスミスで終わる振り返り」
失点を「ケアレスミスだった。次は気をつける」で片づけると、何を変えるのかが決まりません。気をつけるだけでは、次の演習でも同じ場所で止まりやすくなります。
大切なのは、「どこで、何を、どう間違えたか」まで言葉にすることです。
数学:「計算ミス」→ 分配法則で、括弧の前のマイナスを一部にしかかけていなかった
国語・社会など:「読み間違い」→「適切でないものを選ぶ」という指示を見落とした
英語:「英語のミス」→ 主語を確認せず、動詞の形を選んだ
ただし、原因は答案だけでは断定できないこともあります。本人の説明や解き直しで確かめながら、一緒に探っていきましょう。
失点原因を5つに分ける
失点は、次の5つに分けると、次の行動が見えやすくなります。
| 原因と例 | 次の対策 |
|---|---|
| ①知識・理解の不足 用語の意味や公式を説明できない |
教科書や基本例題に戻り、意味を確認してから問題を解く |
| ②使い方の判断が難しい 公式は知っているが、どれを使うか選べない |
問題の条件と、使う知識の関係を確認し、類題で試す |
| ③条件・指示の読み違い 否定表現、単位、指定された答え方を見落とす |
見落とした箇所を特定し、同じ種類の問題で確認手順を練習する |
| ④計算・転記・表記の誤り 途中式の符号、解答欄への転記、英単語の綴りで誤る |
誤りが起きた工程に合わせて、途中式や照合の方法を変える |
| ⑤時間不足・解く順番 難問に時間を使い、後半の問題に着手できない |
時間配分や保留する判断を、時間を測った演習で練習する |
原因が複数重なる場合もあります。また、すべての失点を読み方や注意力の問題にしないことも大切です。
解き直しで「本当に分かっていたか」を確かめる
解説を読んで「なるほど」と思っても、答えを覚えているだけの場合があります。同じ問題で正解できたかどうかだけで、理解を判断しないようにしましょう。
すでに解説を読んでしまった場合も、見ずに再現できるかを確認すれば大丈夫です。
どの問題から復習する?
状況に応じた一例として、次の順で考えてみてください。
- 学習済みの基礎事項で、理解不足が見つかった問題
- 正答率が高めで、本人の目標に照らして優先したい問題
- 繰り返し起きている読み違いや計算の誤り
- 志望校の出題や配点から、練習が必要な問題
正答率50%未満でも、重要な基礎を含む問題や志望校で必要な問題は復習の対象です。反対に、正答率50%以上でも、1回の復習で身につくとは限りません。失点分の合計は改善候補を把握するための材料であり、そのまま次回の上積みになるわけではない点にもご注意ください。
答案1問から作る、短い復習メモ
問題:数学・括弧を含む計算
失点した箇所:括弧の前のマイナスの処理
次に変えること:括弧を外す途中式を1行書く
確認方法:類題を3問、解説を見ずに解く
問題数は説明用の目安です。きれいな分析ノートを作ることが目的ではありませんので、教材への書き込みや、付箋1枚の短いメモでも十分です。
保護者の声かけ
「みんな正解しているのに」
「この問題は、どこで止まった?」
「ケアレスミスをなくしなさい」
「どの段階で間違えたか、一緒に確認しようか」
「次は何点上げるの?」
「次の演習で、何を変えて試してみる?」
答案は、お子さまの了承を得てから一緒に見てください。正答率は責める材料にせず、原因を保護者の方が決めつけないことも大切です。迷うときは、先生にも確認してみましょう。
まとめ
- 正答率は、復習候補を見つける手がかりとして使う
- 失点を「ケアレスミス」で終わらせず、原因を具体化する
- 原因に合う練習を行い、自力でできるか確かめる
まずは、正答率50%以上で間違えた問題を1問選び、「どこで間違えたか」「次に何を変えるか」を書いてみてください。問題別正答率の資料がないときは、学習済みの基本問題や、繰り返し間違える問題で、同じ確認ができます。
迷っていませんか?
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