小学5年生の保護者の方へ
中学受験、小学5年生の秋に
成績が伸びなくなる本当の理由
勉強を足す前に、止まっている段階を見つける
前と同じように頑張っているのに
授業には休まず通い、宿題も終え、テスト直しもしている。それなのに、以前ほど点数が取れなくなった。そんなとき、保護者の方は「もっと勉強させるべきだろうか」と悩まれることが多いのではないでしょうか。
まずお伝えしたいのは、続けてこられた努力は、きちんと意味のあるものだということです。結果だけを見て「勉強が足りない」と決めつける必要はありません。
また、成績が伸びにくくなる原因は1つに決まるものではありませんし、小5の秋にすべてのお子さんが停滞するわけでもありません。塾ごとにカリキュラムや単元の進む時期も異なります。この記事では、あくまで「そういう場合がある」という視点から、問題で求められることと、普段の取り組み方を照らし合わせる方法をお伝えします。
まず「何が伸びていないか」を分ける
「成績が伸びない」と言っても、中身はいくつかに分かれます。たとえば、次のような違いです。
・得点が下がっている
・偏差値や順位が下がっている
・解ける問題は増えているが、偏差値が変わらない
・単元テストはできるが、広い範囲のテストでは難しい
問題の難しさや受験者集団が違えば、同じ得点でも意味は変わります。偏差値が横ばいでも学習が進んでいる場合がありますし、反対に、得点が同じでも見直したい課題が隠れている場合もあります。
1回の結果だけで判断せず、複数回の結果と、どの問題で失点したかを一緒に見てみてください。ここを分けておくと、次に確認することが見えやすくなります。
止まりやすい4つの理由
背景には、学習量や問題の要求が変わる一方で、学び方や復習の仕組みが以前のままになっている場合があります。代表的な可能性を4つ挙げます。全員に共通する原因ではありませんので、実際の答案と日々の学習から確かめていきましょう。
4つの理由・要点
① 覚えた解き方を、そのまま当てはめにくくなる
② 新しい学習に追われ、前提となる理解の穴が残る
③ 「直しを終えた」と「自力でできる」がずれている
④ 学習予定が詰まり、理解を深める余地がなくなる
理由① 覚えた解き方を、そのまま当てはめにくくなる
塾の進度によっては、小5の時期に、複数の条件を整理し、既習の考え方を組み合わせる問題が増えてきます。算数でいえば、割合や比、速さ、図形などで、数字やキーワードだけから式を決めようとすると止まりやすくなります。ただし、これらが全塾共通の「秋の学習内容」というわけではありません。
基本の解法を覚えることは大切です。そのうえで、次の3点を確かめてみてください。
・何を求める問題か分かるか
・分かっている条件を整理できるか
・なぜその式や図を使うのか説明できるか
言葉で説明することだけを求めず、線分図、表、具体的な数字の例なども使うと、お子さんも考えを出しやすくなります。
理由② 新しい学習に追われ、前提となる理解の穴が残る
新しい宿題やテスト対策に時間を使ううちに、以前つまずいた内容を確かめる機会がなくなることがあります。説明用の例として、次のような場合です。
分数計算や単位換算が不安定で、文章題でも間違える。割合の意味が曖昧で、比を使う問題でも止まる。理科の用語は覚えていても、実験条件や数量の関係が分からない。こうした例では、今の単元そのものより、その手前に原因があるかもしれません。
だからといって、「小4から全部やり直す」必要はありません。今の問題を止めている前提に絞って確認するのがポイントです。誤答だけで原因を断定せず、解き直しやお子さん自身の説明で確かめましょう。
理由③ 「直しを終えた」と「自力でできる」がずれている
解説を読んで理解し、正解を書き写していても、後日自力で解けるとは限りません。もちろん、解説を読むこと自体は大切です。大切なのは、説明を受けたあとに、自分で使ってみる確認があるかどうかです。復習の例を挙げます。
① 間違えた問題の考え方を理解する
② 解答を隠して、途中の考え方から解き直す
③ 日を空けて、同じ問題や類題を解く
④ 数字や条件が変わっても使えるか確かめる
同じ問題の答えを覚えただけの正解と、理解して解けた正解は別のものです。ただし、すべての誤答を何度も解かせる必要はありません。必要な問題を選ぶことで、負担も抑えられます。
理由④ 学習予定が詰まり、理解を深める余地がなくなる
塾の授業、学校の宿題、習い事、テスト直しが重なると、「終えること」が目的になりやすくなります。次の点を見直してみてください。
・分からない問題を、質問できずにためていないか
・1問に長時間止まり、ほかの学習が押していないか
・予定に解き直しや調整の時間があるか
・睡眠や休息を削っていないか
疲れや気持ちの負担を、やる気不足と受け取らないでください。宿題を家庭の判断で削るのではなく、塾の先生と優先順位や取り組み方を相談することをおすすめします。
教科別に、止まっている場所を確かめる
教科ごとに、見直したい例と次の確認を整理しました。停滞の原因はここに挙げた例だけではありません。また、暗記も理解もどちらも必要で、一方を軽く見るものではありません。
| 教科 | 見直したい例 | 次の確認 |
|---|---|---|
| 算数 | 解法は覚えているが、条件が変わると立式できない | 条件を図や表にし、使う考え方を説明する |
| 国語 | 答えを聞けば納得するが、自分では根拠を探せない | 設問が求めることと、本文の根拠を確認する |
| 理科 | 用語は覚えているが、実験・グラフの問題で止まる | 条件、結果、数量の関係を整理する |
| 社会 | 用語は答えられるが、資料や因果関係の問題で迷う | 地図・統計・出来事のつながりと結び付けて確認する |
立て直しは「1週間、1つの課題」から
立て直しは、始めやすい小さな単位から進めるのが現実的です。次の流れはあくまで説明用の一例で、「1週間」「1つ」も始めやすくするための目安です。1週間で克服できるという意味ではなく、全員共通のルールでもありません。定着に時間がかかる場合は、範囲や支援を見直しながら続けてください。
STEP 1 課題を1つ選ぶ
最近の答案から、繰り返し止まる内容を1つ選びます。
▼
STEP 2 どこが課題か調べる
短い確認で、知識・理解・使い方のどこが課題かを調べます。
▼
STEP 3 問題を絞って取り組む
必要な説明を受け、取り組む問題を絞ります。
▼
STEP 4 日を分けて確かめる
日を空けて、自力で解けるかを確かめます。
▼
STEP 5 先生と共有して次へ
結果を先生と共有し、次の課題を調整します。
保護者の声かけ
お子さん自身も、なぜ難しいのかをうまく説明できないことがあります。問い詰める形にならないよう、次のような言い換えを試してみてください。
つい言ってしまいがちな言葉
「こんなに勉強しているのに、どうして?」
→ こう言い換えてみる
「どの問題で、どこから難しくなった?」
つい言ってしまいがちな言葉
「前はもっとできていたでしょう」
→ こう言い換えてみる
「今の問題では、何を考えるところで止まる?」
つい言ってしまいがちな言葉
「もっと問題集を増やそう」
→ こう言い換えてみる
「今の教材で、解き直しまでできているところを確認しようか」
必要であれば、答案を持って先生に相談してみてください。家庭だけで原因を決めつけなくて大丈夫です。
まとめ
今日のポイント
✔ 点数や偏差値の変化と、実際の学習課題を分けて見る
✔ 前提知識、解き方の理解、復習、時間の使い方を確認する
✔ 勉強を追加する前に、止まっている段階に合う対策を選ぶ
まずは、最近のテストから1問だけ選んでみてください。その問題でどこで止まったかを確認し、次に行う練習を1つ決める。そこから始めれば十分です。
寄り添うだけで、終わらない。
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「中学受験の勉強が回らなくなってきた」「集団授業で分からなかった内容を整理したい」。そんなときは、お気軽にご相談ください。今通われている塾を否定するものではありません。お子さんの答案や学習の様子を拝見しながら、どこで止まっているのかを一緒に整理します。
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