高校の定期テストの勉強を、
そのまま大学受験につなげる方法
学校の教材の「使い方」を少し変えて、入試にも残る学習へ
「テストが終わると忘れる」を繰り返していませんか?
例えば、テスト直前に学校の問題集を解き直し、高得点を取れたとします。ところが数週間後の模試で、同じ考え方を使う問題に手が止まってしまった。こうした場面は、決して珍しくありません。
テスト前に時間をかけて取り組んだことは、大切な努力です。ただ、その学習が答えの記憶で止まると、時間がたつにつれて使いにくくなります。新しい問題集を増やすことだけが受験準備ではありません。今ある教材の使い方を少し変えることで、学習は入試につながりやすくなります。
なお、ここでいう「つなげる」とは、定期テスト対策を入試の土台として活かすという意味です。入試特有の形式・範囲・時間配分への対策まで不要になるわけではありません。
定期テストと大学入試で、重なる部分・追加が必要な部分
定期テストにも初見・応用問題が出ることがあり、入試にも基礎問題はあります。「定期テストは暗記、入試は思考」と単純には分けられません。そのうえで、整理すると次のようになります。
| 重なる部分 | 追加の確認が必要な部分 |
|---|---|
| ・教科書で学ぶ用語、公式、文法などの理解 ・基本的な処理の正確さ ・条件を読み取り、必要な知識を使う力 |
・既習範囲をまたぐ出題 ・初めて見る文章や資料への対応 ・志望先の出題形式や難易度 ・試験時間内での判断、処理、解く順番 |
学校や大学によって出題は異なります。重なる部分を土台にしながら、足りない部分は別に確かめる、という考え方です。
定期テスト対策に加える3つの方法
① なぜその答え・解き方になるのか確かめる
② 答えを見ず、条件や聞かれ方が変わっても使う
③ テスト後も、必要な内容を日を空けて確認する
方法①:正解の後に「使った考え方」を1つ確認する
すべての問題に長い解説を書く必要はありません。迷った問題や、重要な例題に絞って、次の点を確かめます。
数学:どの条件から、その公式や定理を使うと判断したか。
英語:主語・動詞、修飾関係、文法上の根拠など、答えを決めた理由は何か。
理科:どの条件で、その法則や関係式を使えるか。
社会:用語の意味だけでなく、原因・結果や他の出来事との関係は何か。
うまく説明できなくても、責める必要はありません。「分かったつもり」に気づけたことは、理解が曖昧な部分を見つける機会になります。
方法②:答えを覚えた問題から、少し条件を変えた問題へ
同じ問題の解き直しには意味があります。ただ、それだけでは、答えを覚えているのか、理解して使えるのかを区別しにくい面があります。説明や例題の確認を終えたうえで、次のように少しずつ変えて試します。
・数字や条件が変わった類題を解く
・選択肢がない状態で答える
・なぜほかの選択肢が違うのか説明する
・図、文章、グラフなど、表現が違う問題で確かめる
基礎が不安定なまま、急に難問へ進む必要はありません。本人や保護者が問題を作る必要もなく、学校教材の類題や、先生が勧める問題で十分です。
方法③:テスト後に、残しておく内容を選ぶ
間違えた問題をすべて長いノートにまとめる必要はありません。次の内容を優先して残します。
・今後の学習の土台になる内容
・自力では解けなかった基本例題
・何度も繰り返している誤り
・理由が曖昧なまま正解した問題
記録は「教材のページ・問題番号」と「確認する点」程度で構いません。一度正解した内容も、必要に応じて後日の確認に混ぜます。答えを写して終わりにせず、日を空けて、解答を見ずに試すことが大切です。全教科の全範囲を毎日復習するような計画は続きません。まずは1教科、数問からで十分です。
教科別:学校教材を受験につなげる使い方
| 教科・教材 | テスト前だけで終わる例 | 次につながる使い方 |
|---|---|---|
| 英語 教科書本文 |
本文と和訳の組合せだけを覚える | 文構造や語句の働きを確認し、同じ文法や表現を別の文でも理解・使用できるか試す。音読や暗唱は、意味を理解したうえで目的に応じて活用する |
| 数学 学校問題集 |
解法の流れや答えだけを覚える | 条件と解法の関係を確認し、解説を閉じて解き、類題でも使う |
| 国語 授業で扱った文章 |
授業ノートの解答を覚える | 設問が求めることと本文の根拠を確認し、別の文章でも根拠に基づいて答える。古文・漢文は語彙、文法、句法も確認する |
| 理科 教科書と演習 |
用語や公式だけを覚える | 意味、使える条件、実験やグラフとの関係を確認する |
| 地理歴史・公民 | 用語と答えの組合せだけを覚える | 地図、資料、時系列、因果関係と結び付ける |
| 情報 | 用語や操作手順だけを覚える | 処理の仕組みや、表・データ・アルゴリズムを読み取る考え方を確かめる |
※受験に必要な教科は、志望先や方式によって異なります。この表を、全員の受験科目一覧として扱わないでください。
普段・テスト前・テスト後を1つの流れにする
テスト前だけで全工程を詰め込むのではなく、普段から少しずつ分けて行います。日程や問題数は、本人の学校生活や学習状況に合わせて調整してください。
定期テストの点数と評定、受験の実力は分けて考える
定期テストの点数は、その範囲・形式での成果です。受験全体の完成度をそのまま示すものではありません。反対に、模試で苦戦しているからといって、学校の学習を軽く見る理由にもなりません。
評定は、テストの点数だけで決まるものではありません。推薦などでの評定や履修条件の扱いは、大学、選抜方式、学校内の手続き、対象年度によって異なります。学校の先生や、対象年度の公式資料で確認してください。「推薦なら模試は不要」「一般選抜なら学校の成績は関係ない」と、一律に考えることも避けたいところです。
保護者の声かけ
点数の確認だけで終わらず、学習の使い方を一緒に考える声かけにすると、本人も答えやすくなります。
毎問の説明や毎日の報告を求める必要はありません。本人が困っているときは、教材や答案を持って、学校や塾の先生に相談してください。
まとめ
この記事のポイント
✔ 答えだけでなく、考え方や使う条件を理解する
✔ 類題や初見問題で、自力で使えるか確かめる
✔ テスト後も、必要な内容を短い復習に残す
まずは、最近の定期テストや学校の問題集から1問選び、理由を確認し、類題を解いてみてください。それだけでも、定期テストの勉強が次につながる学習に変わり始めます。
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