―「やる気に頼らない」中学受験の習慣化術―
「中学受験に向けて、勉強を始めたいと思っているけれど、
何から手をつけたらいいのか分からない…」
「計画を立てても、3日も続かない。うちの子に合う勉強法ってあるの?」
「つい、できなかったところに目がいって親子ともに疲れてしまう…」
これは、まさに中学受験を意識し始めたばかりのご家庭でよく聞く声です。
中学受験は、短距離走ではなく、1年から2年にわたる長期戦です。
やる気があるときだけ全力で取り組むような形では、
なかなか継続が難しく、途中で息切れしてしまうことも少なくありません。
だからこそ大切になるのが、「勉強計画」です。
とはいえ、ただカレンダーに予定を詰め込むだけでは意味がありません。
お子さんの性格や生活習慣に合った、
“無理のない計画”をどう作るかが、受験勉強の土台をつくるポイントになります。
本記事では、中学受験を目指す小5・小6のお子さんをもつ保護者の皆様に向けて、
現実的で続けやすい勉強計画の立て方を具体的にご紹介します。
■「勉強計画」はなぜ続かないのか?
保護者の方からよくいただくご相談のひとつが、
「計画を立てても全然実行できない」というものです。
実際に、次のような状態に陥っていませんか?
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テキストの進度を週単位で細かく書き込んでいるが、予定通りに進まず焦る
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「これだけは毎日やろう」と決めたのに、体調や用事で崩れてしまい、自己嫌悪
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勉強の時間は確保できているのに、集中力が続かず内容が定着しない
これらは、特別なことではなく、多くのご家庭が経験している“中学受験あるある”です。
共通しているのは、「理想に合わせて計画を立ててしまっている」ということ。
つまり、「気合いが入っているときの自分」に合わせた計画になっているのです。
ですが、日々の生活の中では、「疲れている日」「気分が乗らない日」も当然あります。
そのすべてを想定したうえで計画を立てておかないと、
続かないのは当たり前ともいえるのです。
■勉強計画を成功させる3ステップ
ステップ①:受験までの「全体の流れ」をつかむ
まず初めにやるべきことは、大まかなスケジュールを把握することです。
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本番の入試はいつか
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模試や塾のテストはいつ頃あるのか
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小6の夏休みまでに何を終わらせるべきか
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過去問に取り組むのはいつ頃か
このように「全体像」を把握しておくと、
今やるべきこと・後回しでもよいことがはっきりします。
「この夏までに、算数の苦手単元は克服したい」
「冬までに理社の一通りのインプットは終わらせたい」など、
先を見据えた逆算型の計画を立てられるようになります。
毎日勉強しているのに、受験に間に合わなかった、
ということのないように、計画はしっかり立てておきましょう。
ステップ②:週単位で“意味のある”計画を立てる
年間スケジュールが見えたら、次は「週単位の計画」を立てましょう。
ここで重要なのは、“ページ数”や“問題数”ではなく、“目的”で区切ること”です。
例:
✕:火曜:理科ワーク4ページ
〇:火曜:植物のつまずき単元を理解→問題演習で確認
このように「なぜこの学習をやるのか」を明確にすることで、
作業になりがちな勉強に意味を持たせ、集中力も定着度も上がります。
を行うことで、
無理のないリズムをつくっていくことができます。
ステップ③:毎日の「ルーティン」をつくる
また、1週間ごとに振り返りと微調整勉強の習慣を安定させるには、
「決まった時間に、決まった場所で、決まったことをやる」ことが非常に効果的です。
たとえば、
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17:00〜17:30 学校の宿題
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17:30〜18:00 塾の復習
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18:00〜18:15 休憩
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18:15〜19:00 苦手単元の演習
このように“固定化”することで、
予定を立て直す手間が省け、「今日は何をやるか」で悩む時間を減らせます。
また、「やることが決まっている」という状態は、
お子さんにとっても安心材料になります。
何をすればいいか分かっていることで、
不安や抵抗感が減り、勉強へのハードルが低くなるのです。
■ 続けるための仕掛けをつくろう
どんなに優れた計画でも、「続かないと意味がない」。
そのためにおすすめなのが、以下の“仕掛け”です。
◎「できたことリスト」を書く
その日できたことをチェックするだけで達成感が生まれます。
「やるべきことリスト」ではなく、
「できたことリスト」を意識すると、前向きになれます。
できたことが増えると、自己肯定感も上がります!!
◎「週末ふりかえりタイム」を親子で
「今週よくがんばったね」「来週はちょっとペースを落とそうか」など、
週に1回のふりかえりを親子で行うことで、子ども自身の“振り返り力”も育ちます。
◎「努力を見える化」する
カレンダーにシールを貼る、グラフをつける、
など視覚的に成果が見えるようにすると、
お子さんのモチベーション維持につながります。
■ “ちょうどいい”計画が、一番強い
中学受験に向けた勉強計画は、「完璧でなくてもいい」のです。
むしろ、
少し余裕があるくらいの“ちょうどいい計画”が、一番継続しやすく、実力が伸びる
という事実を忘れないでください。
✅1日単位ではなく、1週間単位で調整する
✅“目的”のある学習内容で意味を持たせる
✅生活とフィットしたルーティンをつくる
✅できなかった日があっても、責めない
このような工夫が、親子の安心感と信頼関係を生み、
最終的には受験期の支えになります。
中学受験は「我慢」や「根性」で乗り切るものではなく、
仕組みと習慣で乗り越えるものです。
今日から、ほんの少しでもいいので、“続けられる”第一歩を踏み出してみませんか?
目標に向かって、頑張っていきましょう!!

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