2025年9月8日月曜日

模試の偏差値と合格判定の違いを正しく理解する

 偏差値と合格判定の違い

模試を受けると「偏差値」と「合格判定」が両方示されます。

しかし、この2つの意味を正しく理解している受験生は意外と少ないのです。


  • 偏差値は高いのに判定が悪い

  • 判定は良いのに偏差値が伸びない


こんな結果を見て「どう解釈すればいいの?」と混乱する人も多いでしょう。

そこで今回は、偏差値と合格判定の違いを整理し、

模試の結果を正しく活用する方法を解説します。



◆1.偏差値とは「相対的な学力の位置」

偏差値は、その模試を受けた受験生全体の中で、

自分の学力がどの位置にあるかを示す数値です。


  • 偏差値50 → 受験者のちょうど真ん中

  • 偏差値60 → 上位約16%

  • 偏差値70 → 上位約2%


つまり偏差値は「集団内での相対的な順位」を表しています。

ポイントは「模試の受験者層によって数値が変わる」ということ。

難関大志望者が多い模試では全体のレベルが高くなるため、

同じ得点でも偏差値は低めに出やすいのです。



◆2.合格判定とは「志望校に対する合格可能性」

一方、合格判定は「その大学に合格できる可能性」を示したものです。

模試主催者が蓄積している過去データや合格者実績に基づき、

統計的に算出されています。


  • A判定:合格可能性80%以上

  • B判定:60〜79%

  • C判定:40〜59%

  • D判定:20〜39%

  • E判定:20%未満


 判定は「志望校ごと」に出されるのが特徴です。

同じ偏差値でも、志望校によって判定は変わります。



◆3.「偏差値が高いのに判定が悪い」のはなぜ?

実際によくあるのがこのケースです。

たとえば偏差値65を取っても、第一志望の判定がC判定ということは珍しくありません。


理由は、志望校の合格者層が非常に高いレベルだからです。

難関大学では合格者の多くが偏差値65〜70を取っているため、

「65ではまだ合格可能性50%前後」と判定されることがあります。


この場合は「全国的には上位層だが、志望校の中では平均的」という意味になります。



◆4.「判定は良いのに偏差値が伸びない」のはなぜ?

逆に、偏差値は50台なのにB判定やA判定が出る場合もあります。

これは、志望校の受験者層のレベルがそこまで高くないため、

合格可能性が高く出ているのです。


つまり判定は「その志望校に限った可能性」であり、

偏差値とは別物として考える必要があります。



◆5.模試結果を正しく活用するために

① 偏差値は「学力の推移」を見る

模試ごとの偏差値の上がり下がりをチェックすることが大切です。

1回の判定よりも、継続的に上昇しているかどうかが重要です。


② 判定は「志望校対策の指針」として使う

合格判定は「今のままなら合格可能性はこのくらい」というシグナルです。

判定が悪ければ「志望校レベルとの差」を埋める勉強を計画しましょう。


③ 両方を組み合わせて考える

  • 偏差値=全国的な学力の位置

  • 判定=志望校に対する立ち位置


この両方を見て初めて、模試の結果を正しく理解できます。



◆まとめ

模試の「偏差値」と「合格判定」は似ているようでまったく別物です。

  • 偏差値:受験者全体に対する相対的な学力

  • 判定:志望校ごとの合格可能性


偏差値が高くても判定が悪い場合は「志望校のレベルが高い」、

判定が良くても偏差値が低い場合は「全国的にはまだ課題がある」と読み取れます。


模試の結果は数字に一喜一憂するのではなく、

偏差値と判定を両方見て分析することが大切です。

これができれば、次の模試や入試本番に向けて、

より正確な学習戦略を立てることができます。



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