偏差値と合格判定の違い
模試を受けると「偏差値」と「合格判定」が両方示されます。
しかし、この2つの意味を正しく理解している受験生は意外と少ないのです。
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偏差値は高いのに判定が悪い
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判定は良いのに偏差値が伸びない
こんな結果を見て「どう解釈すればいいの?」と混乱する人も多いでしょう。
そこで今回は、偏差値と合格判定の違いを整理し、
模試の結果を正しく活用する方法を解説します。
◆1.偏差値とは「相対的な学力の位置」
偏差値は、その模試を受けた受験生全体の中で、
自分の学力がどの位置にあるかを示す数値です。
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偏差値50 → 受験者のちょうど真ん中
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偏差値60 → 上位約16%
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偏差値70 → 上位約2%
つまり偏差値は「集団内での相対的な順位」を表しています。
ポイントは「模試の受験者層によって数値が変わる」ということ。
難関大志望者が多い模試では全体のレベルが高くなるため、
同じ得点でも偏差値は低めに出やすいのです。
◆2.合格判定とは「志望校に対する合格可能性」
一方、合格判定は「その大学に合格できる可能性」を示したものです。
模試主催者が蓄積している過去データや合格者実績に基づき、
統計的に算出されています。
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A判定:合格可能性80%以上
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B判定:60〜79%
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C判定:40〜59%
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D判定:20〜39%
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E判定:20%未満
判定は「志望校ごと」に出されるのが特徴です。
同じ偏差値でも、志望校によって判定は変わります。
◆3.「偏差値が高いのに判定が悪い」のはなぜ?
実際によくあるのがこのケースです。
たとえば偏差値65を取っても、第一志望の判定がC判定ということは珍しくありません。
理由は、志望校の合格者層が非常に高いレベルだからです。
難関大学では合格者の多くが偏差値65〜70を取っているため、
「65ではまだ合格可能性50%前後」と判定されることがあります。
この場合は「全国的には上位層だが、志望校の中では平均的」という意味になります。
◆4.「判定は良いのに偏差値が伸びない」のはなぜ?
逆に、偏差値は50台なのにB判定やA判定が出る場合もあります。
これは、志望校の受験者層のレベルがそこまで高くないため、
合格可能性が高く出ているのです。
つまり判定は「その志望校に限った可能性」であり、
偏差値とは別物として考える必要があります。
◆5.模試結果を正しく活用するために
① 偏差値は「学力の推移」を見る
模試ごとの偏差値の上がり下がりをチェックすることが大切です。
1回の判定よりも、継続的に上昇しているかどうかが重要です。
② 判定は「志望校対策の指針」として使う
合格判定は「今のままなら合格可能性はこのくらい」というシグナルです。
判定が悪ければ「志望校レベルとの差」を埋める勉強を計画しましょう。
③ 両方を組み合わせて考える
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偏差値=全国的な学力の位置
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判定=志望校に対する立ち位置
この両方を見て初めて、模試の結果を正しく理解できます。
◆まとめ
模試の「偏差値」と「合格判定」は似ているようでまったく別物です。
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偏差値:受験者全体に対する相対的な学力
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判定:志望校ごとの合格可能性
偏差値が高くても判定が悪い場合は「志望校のレベルが高い」、
判定が良くても偏差値が低い場合は「全国的にはまだ課題がある」と読み取れます。
模試の結果は数字に一喜一憂するのではなく、
偏差値と判定を両方見て分析することが大切です。
これができれば、次の模試や入試本番に向けて、
より正確な学習戦略を立てることができます。

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