模試の見方と保護者サポート
模試の結果が返却されると、受験生本人以上に落ち込んでしまうのが保護者です。
「この判定で志望校は大丈夫なの?」「勉強のやり方が間違っているのでは?」
と不安が募り、つい子どもを責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、模試の結果をどう受け止め、どんな声かけをするかは、
受験生の今後の成績に大きな影響を与えます。
ここでは、保護者が知っておくべき模試結果の正しい見方と、
家庭でのサポートの仕方を解説します。
◆1.模試判定は「未来の合否」ではない
まず理解しておきたいのは、
模試判定は現時点の力を示す目安にすぎないということです。
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判定は「受験者集団の中での位置」
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毎回の模試で判定が変動するのは当たり前
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A判定でも落ちる人はいるし、C・D判定から合格した人も多い
判定結果に一喜一憂するのではなく、「現状をどう改善するか」という視点が大切です。
◆2.保護者がやってはいけない対応
模試の結果を見たとき、つい感情的になってしまうことがあります。
以下のような対応は逆効果になりがちです。
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「どうしてこんな点数しか取れないの?」と責める
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「もうこの大学は無理なんじゃない?」と可能性を否定する
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「もっと勉強しなさい!」と抽象的に叱る
これらの言葉は、子どものモチベーションを下げ、自信を奪ってしまいます。
模試の判定が悪くても、正しい努力を積み重ねれば逆転は可能なのです。
◆3.保護者が注目すべき3つのポイント
模試結果で本当に見るべきなのは、判定そのものではなく以下の3点です。
① 偏差値の推移
点数や判定はその模試特有のものですが、偏差値は「全国的な位置」を示します。
前回より上がっているか、下がっているかを見ると成長度合いが分かります。
② 教科ごとの得点バランス
合計点が同じでも、教科バランスは受験に直結します。
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英語が安定しているか
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数学で大きく失点していないか
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社会・理科で得点源を作れているか
どの科目を強化すべきかを確認しましょう。
③ 設問ごとの間違いの傾向
ケアレスミスが多いのか、知識不足なのか。
本人に確認して「なぜ間違えたのか」を把握することが重要です。
◆4.模試後の効果的な声かけ
保護者の言葉ひとつで、子どものやる気は大きく変わります。
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「この教科は伸びてきてるね」 → 伸びた点をまず認める
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「苦手なところが分かったから、これから伸ばせるね」 → 判定を前向きに捉えさせる
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「次はどう対策する?」 → 自分で考えさせ、主体性を育てる
否定ではなく「次につながる声かけ」を心がけましょう。
◆5.家庭でできるサポート
模試の結果に合わせて、家庭でサポートできることは意外に多いです。
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生活リズムの安定:夜更かしや朝寝坊を防ぎ、勉強に集中できる環境をつくる
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勉強時間の確保:テレビやスマホの使い方を工夫する
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環境づくり:静かに勉強できるスペース、温かい食事の用意
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伴走者になる:「結果を一緒に分析しよう」と寄り添う姿勢
これらは点数そのもの以上に、受験生の精神的な支えになります。
◆まとめ
模試の結果をどう受け止めるかで、その後の勉強の質は大きく変わります。
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判定は「現時点の目安」であり、未来の合否ではない
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保護者が一番注目すべきは「偏差値の推移・教科バランス・間違いの傾向」
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子どもを責めるのではなく「伸びしろを見つける」姿勢が大切
模試の結果を前向きに活かせるかどうかは、
受験生本人だけでなく、家庭の支え方にもかかっています。
保護者が冷静に受け止め、
正しい声かけと環境づくりを行えば、
子どもは必ず次の模試・本番へと前向きに挑めるでしょう。

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