2026年10月6日火曜日

理科・社会は暗記だけでは80点を超えられない―点差が付く勉強法

 

理科・社会|定期テスト対策

理科・社会は暗記だけでは80点を超えられない―点差が付く勉強法

覚えた知識を、問題の中で使える力へ

理科・社会は、本当に暗記科目?

「テスト前にあれだけ覚えたのに、問題を見たら手が止まった」

お子さまから、このような話を聞いたことはありませんか。理科・社会は「暗記科目」と呼ばれることが多く、覚えれば点数が取れるはずだと思われがちです。

しかし、定期テストの資料問題や記述問題では、用語を知っているだけでは答えられない場面が出てきます。

私は教室で長年、中学生の理科・社会の勉強法を見てきました。「覚えているのに点数が伸びない」という生徒は、決して努力が足りないわけではありません。覚えた知識を、問題の中でどう使うかという練習が足りていないだけの場合が多いのです。

この記事の重要メッセージ

理科・社会で高得点を安定させるには、知識を使える状態にすることが大切です。この記事では、80点を一つの目安として、「高得点を安定して取り続ける」「応用問題や記述問題にも対応する」ための勉強法を解説します。

暗記は必要。でも、暗記で止まらない

暗記は必要な土台です。用語、人物名、年代、公式、実験器具などを覚えていなければ、問題文を読んでも何を問われているのか分かりません。暗記が得意な生徒も、苦手な生徒も、まずはこの土台づくりが大切です。

ただし、土台だけでは建物は完成しません。テストには、次のような問題が出題されます。

  • 資料やグラフを読み取る問題
  • 実験結果から理由を考える問題
  • 複数の知識を組み合わせる問題
  • 因果関係を説明する問題
  • 指定された言葉を使う記述問題
  • 初めて見る形式の問題

もちろん、テストの難易度や平均点、出題範囲によっては、暗記中心でも80点を取れることがあります。ただ、学年が上がるほど、また高得点を安定して取りたいほど、覚えた知識を使う力が点差につながりやすくなります。

点数が伸びない4つの原因

「覚えたのにできなかった」という場合、次の4つのどれかに当てはまることが多くあります。

原因1

原因1 答えの言葉だけを覚えている

よくある状態:問題文の表現が変わると答えられない。説明から用語は答えられるが、用語から内容を説明できない。一問一答の順番やページの位置で覚えている。

改善の方向性:用語を「意味」「理由」「具体例」とセットで覚え、表からも裏からも答えられるか確認します。

原因2

原因2 「なぜ」を説明していない

よくある状態:実験結果や出来事の理由を聞かれると書けない。言葉は知っていても、因果関係が分からない。

改善の方向性:「原因→出来事→結果」の順で整理し、覚えた内容を自分の言葉で説明する練習をします。

原因3

原因3 資料を見る手順が決まっていない

よくある状態:いきなり選択肢を見てしまう。知識だけで推測して答える。資料のどこが根拠なのか説明できない。

改善の方向性:タイトル、縦軸、横軸、単位、凡例、変化の順に確認し、資料の情報と知識を結びつけます。

原因4

原因4 ワークの答えを覚えている

よくある状態:ワークは何度も解いているが、答えや問題の並びを覚えて正解している。選択肢の順番や資料が変わると解けない。

改善の方向性:答えを隠して理由や根拠まで説明し、間違えた問題は答えの書き写しで終わらせません。

学校ワークを繰り返すこと自体は大切です。大切なのは、繰り返すときに「資料のどこを根拠にしたか」まで確認することです。

80点を超えるための3段階

理科・社会の学習は、土台から上へ積み上げるイメージで進めます。LEVEL 1の暗記は、LEVEL 2・3を支える大切な土台です。

LEVEL 1

知識を覚える(すべての土台)

教科書の太字、重要語句、公式、人物・年代・地名、実験器具や基本操作

▼

LEVEL 2

知識をつなげる

原因と結果、目的と方法、現象と理由、場所と産業、出来事と影響

▼

LEVEL 3

問題で使う

資料問題、実験考察、計算問題、記述問題、初見の応用問題

一問一答で答えられることは、ゴールではなく出発点です。「なぜそうなるのか」「資料のどこから判断できるのか」「別の知識とどうつながるのか」を説明できる状態を目指しましょう。

理科は「実験の流れ」をつかむ

理科の勉強法では、「実験名→結果」だけを覚えるのではなく、次の流れで整理することをおすすめします。

目的

▼

方法

▼

条件

▼

結果

▼

結果から分かること

▼

理由・原理

理科で点差が付く問題は、こう対策する

1.実験の目的を答える問題

「何を調べるための実験か」を最初に確認します。目的が分かると、結果の意味も見えやすくなります。

2.条件をそろえる問題

「変える条件」「そろえる条件」「調べる結果」を分けて整理します。この3つを書き出す習慣が、実験問題の失点を減らします。

3.結果から理由を説明する問題

結果だけを暗記せず、「どの知識を使って説明するのか」を確認します。結果と原理をつなげて言葉にする練習が必要です。

4.グラフや表を読み取る問題

軸、単位、増減、比例関係、変化の大きい部分を順に見ます。グラフの形だけで判断しないことがポイントです。

5.計算問題

公式を覚えるだけでなく、「与えられた数値」「単位」「求めるもの」を整理してから式を立てます。実験問題・計算問題が苦手な生徒ほど、この整理が効果的です。

社会は「原因と結果」をつなげる

社会の勉強法では、人物名や年代を単独で覚えるのではなく、次の流れで知識をつなげます。

背景・原因

▼

出来事

▼

結果

▼

その後の影響

社会で点差が付く問題は、こう対策する

1.資料を読み取る問題

資料のタイトル、年代、単位、出典、凡例を確認します。「いつの、何の資料か」を押さえてから選択肢を見ましょう。

2.出来事を並べ替える問題

年代の暗記だけでなく、出来事同士のつながりを理解します。「前の出来事が次の出来事を生んだ」と考えると、順番を思い出しやすくなります。

3.原因と結果を説明する問題

「何がきっかけで、何が起こり、その後どう変化したか」を整理します。

4.地図や統計を使う問題

場所、気候、産業、人口などを個別に覚えず、関連づけます。「この気候だから、この産業が盛ん」と結びつけると、初めて見る資料にも対応しやすくなります。

5.記述問題

問題で指定された言葉、字数、理由、資料の根拠を確認します。指定語句を使い忘れるだけで失点することもあるため、書いた後の見直しも大切です。

理科と社会を比べてみよう

確認する視点 理科 社会
最初に覚えるもの 用語、公式、実験器具、基本法則 人物、出来事、用語、年代、地名
知識をつなげる方法 現象、実験、結果、理由をつなぐ 背景、原因、出来事、影響をつなぐ
資料問題で見るもの 軸、単位、条件、変化、実験結果 タイトル、年代、単位、凡例、出典
記述問題で必要なこと 結果を根拠に、原理や理由を説明する 資料や歴史的背景を根拠に、因果関係を説明する
仕上げの練習 実験、計算、グラフ、初見問題 資料、並べ替え、記述、複合問題

間違いを5種類に分ける

テストやワークで間違えたときは、「また間違えた」で終わらせず、間違いの種類を分けてみましょう。間違いの種類に合わせて復習することで、勉強の時間が無駄になりにくくなります。

A

A 知識不足

間違い:用語や公式を覚えていなかった。

復習:意味とセットで覚え直す。

B

B 理解不足

間違い:用語は知っていたが、理由や仕組みを説明できなかった。

復習:図や自分の言葉で説明する。

C

C 資料読解不足

間違い:グラフ、表、地図、年表の読み方を間違えた。

復習:見る順番を決めて確認する。

D

D 表現不足

間違い:内容は分かっていたが、記述に必要な言葉が不足していた。

復習:必要語句を確認して書き直す。

E

E 時間・確認不足

間違い:時間切れ、単位忘れ、条件の読み落としなど。

復習:時間を測り、確認項目を決める。

間違いの種類と復習方法

間違いの種類 復習方法
知識不足 教科書や用語集へ戻り、意味とセットで覚え直す
理解不足 「なぜそうなるか」を図や自分の言葉で説明する
資料読解不足 タイトル、軸、単位、凡例、変化を順番に確認する
表現不足 模範解答の必要語句を確認し、自分でもう一度書く
時間・確認不足 時間を測って解き、最後に確認する項目を決める

テスト前の4ステップ

一問一答だけを何度も繰り返して終わらないよう、次の順番で進めてみてください。

STEP 1 覚える

教科書や学校ワークで重要語句を覚えます。意味もセットで確認しましょう。

▼

STEP 2 説明する

用語を自分の言葉で説明し、知識同士をつなげます。家族や友達に話すつもりで声に出すのも有効です。

▼

STEP 3 資料・実験・記述を解く

資料問題、実験問題、記述問題に取り組みます。根拠を示しながら解くことが大切です。

▼

STEP 4 混合問題を時間内に解く

単元が混ざった問題を時間内に解き、間違いを5種類に分類します。

保護者の方に見てほしいのは、失点の種類

保護者の方へ

点数だけでなく、どの種類の問題で失点したかを確認してみてください。

「暗記科目なのだから、覚えればできる」と決めつけず、お子さまが何につまずいているのかを一緒に見てあげてください。次の点を意識すると、声掛けがしやすくなります。

  • 用語を覚えているかだけでなく、理由を説明できるかを確認する
  • すぐに答えを教えず、考えるきっかけになる質問をする
  • 理科の計算問題や社会の資料問題を避けていないか確認する
  • 全範囲をやり直すのではなく、間違いの種類に合わせて復習する

声掛けの例(一般的な例です)

この言葉の意味を説明できる?
なぜこの結果になるの?
どの資料を根拠に答えた?
この間違いは、知識不足と読み取り不足のどちら?

問い詰めるためではなく、一緒に考えるための質問として使ってみてください。

知識を「使える状態」に変えよう

この記事のまとめ

  1. 重要語句を正確に覚える
  2. 原因・結果・理由をつなげる
  3. 資料や実験結果から根拠を探す
  4. 間違いの種類に合わせて復習する

理科・社会の暗記は、勉強のスタートです。覚えた知識を説明し、資料と結びつけ、問題の中で使える状態へ変えることで、高得点を安定させる力につながります。

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トライプラス諸口校

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2026年10月5日月曜日

【我が家の教育―中学受験】偏差値が下がった秋、 得意な算数と理科から立て直した理由

 

中学受験体験記|第4話

偏差値が下がった秋、
得意な算数と理科から立て直した理由

立て直しの出発点を、どこに置くか

小6の秋、息子の成績が下がりました。

塾を経営する立場ではありますが、その前に一人の親です。何から手をつけるべきか、正直なところ迷いました。

そのときわが家が軸にしたのは、もともと息子の得意科目だった算数と理科です。

今回は、なぜその二科目から立て直そうと判断したのか、そして家庭で何を大切にしていたのかを振り返ります。あくまで「わが家の場合」のお話で、すべての受験生に当てはまる方法として書いているわけではありません。

得意科目から始めた理由

得意な科目なら、感覚が戻ってくるのも早いのではないか。それが、当時の私の見立てでした。

成績が落ちているときは、うまくいっていない部分に目が向きがちです。けれど、そこから手をつけると、手応えを得にくい時間が続いてしまうのではないかと、私は心配しました。

まず取り戻しやすいところから立て直し、そこを足場にしたい。そう考えたのです。

得意科目から始めた理由

得意だからこそ、感覚を取り戻しやすいのではないか。立て直しの最初の一手として、私はそう見立てました。

もちろん、ほかの科目を軽く見ていたわけではありません。あくまで「最初の一手をどこに置くか」という判断でした。

算数:図形・空間図形の感覚を取り戻す

算数は、息子がもともと得意にしていた科目です。それでも、図形問題や空間図形の感覚が鈍っていました。

得意な科目であっても、感覚が鈍ることはある。これは私にとって、大きな気づきでした。

そこで算数は、全体をまんべんなく見直すのではなく、図形と空間図形の分野を重点的に強化することにしました。鈍っているところに時間を使うほうが、限られた時間の使い方として納得できると考えたからです。

算数で重点的に取り戻したこと

図形問題と、空間図形の感覚。

理科:知識の抜けを埋め、考え込む時間を減らす

理科では、知識分野の抜け落ちを徹底的に埋めることにしました。

理科で重点的に埋めたこと

知識分野の抜け落ち。

背景には、時間配分の課題がありました。息子は時間配分がうまくいかず、最後まで問題を見られないことが多かったのです。

知識問題の前で考え込んでしまうと、その分の時間が後半に響きます。だからこそ、理科の知識問題では考え込まずに済むよう、暗記を徹底しました。

知識問題で考え込む時間を減らしたいという目的

知識問題の前で立ち止まる時間を減らし、その分を後半の問題に回したい。それが当時のねらいでした。

知識の抜けを
埋める
知識問題での
迷いを減らす
後半の問題にも
目を通す時間を
確保したい

※上の図は、当時めざしていた流れです。結果を示すものではありません。

ただし、暗記すればすべて解けると考えていたわけではありません。知識を確かにすることと、理由を理解すること。この二つは、どちらも必要だと思っています。

両科目で大切にした「なぜ?」

算数も理科も、なんとなく解いて終わる学習にはしない。そう決めていました。

正解したかどうかだけでは、終わりにしません。「なぜそうなるのか?」を追求し、その理由を自分の言葉で説明できるところまでを、ひとつの区切りにしていました。

「なぜそうなるのか?」という学習の軸

算数でも理科でも、答えだけでなく、そこに至る理由を大切にしました。

わが家の学習の区切り

自分の言葉で説明できること

基本を自分の言葉で説明できるようになるにつれて、息子には思考力が身についてきたように感じていました。ただし、これはあくまで親としての実感です。効果が証明されたと言うつもりはありません。

覚えたことをそのまま出すだけでなく、理由から考える。その積み重ねを、私は大切にしたいと思っていました。

国語にもつながると考えていた

当時、国語にはあまり取り組めていませんでした。

それでも私は、算数や理科で理由を言葉にする練習は、最終的に国語にもつながるのではないかと考えていました。

物事の理由を筋道立てて言葉にする力は、教科の枠を超えて使えるのではないか。そう期待していたのです。

国語にもつながると考えていた親の思い

理由を言葉にする練習は、いつか国語にも生きるかもしれない。これは、この時点での私の期待です。

結びに

振り返ってみると、わが家の立て直しでは、二つのことを意識していました。「何を優先するか」と、「どこまで理解したら終わりにするか」です。

成績が下がると、あれもこれもと焦りたくなります。その中で、まず得意な算数と理科を優先し、理由を自分の言葉で説明できるところまでをひとつの区切りにしました。

これが正解だったと言うつもりはありません。ただ、同じように悩んでいる保護者の方が、ご家庭の優先順位を考えるときの、ひとつの材料になればうれしく思います。

トライプラス諸口校

学習について迷われたときは、学習相談・無料体験授業をご利用ください。
電話番号:0120-177-202

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数学の公式を覚えたのに、 問題になると使えないのはなぜ?

 

数学・公式の使い方

数学の公式を覚えたのに、

問題になると使えないのはなぜ?

必要なのは、暗記した公式と問題をつなぐ力です

公式は言える。それでも式を立てられない

公式テストでは満点なのに、問題演習になると手が止まる。解説を読めば「なるほど」と思うのに、自分では式を立てられない。

そのような中学生・高校生は少なくありません。保護者の方も、「公式は覚えているのに、なぜ点数が上がらないのだろう」と悩まれることがあると思います。

個別指導の現場で多くの生徒を見てきた立場から言うと、原因は「覚えていないこと」だけではありません。多くの場合、公式と問題を結びつける練習が不足しています。

公式は、数字を入れるだけの箱ではありません。「何を求めるのか」「どの条件で使えるのか」「文字が何を表すのか」を知ってはじめて、問題で使える道具になります。

この記事では、数学の公式を覚えたのに使えない理由を5つに整理し、文章題や応用問題で公式を使えるようになる勉強法を紹介します。公式の暗記そのものは大切です。そのうえで、暗記を「使える力」へ育てる方法を考えていきましょう。

公式は「覚えたら終わり」ではありません

公式を覚えることと、使えることは別の力です。覚えるとは、公式を正確に書けることです。使えるとは、問題を見て「この公式の出番だ」と判断し、式に当てはめられることです。

公式には、次の3つの要素があります。

1 目的

何を求める公式か

長さ、面積、角度など、公式が答えを出す対象です。

2 条件

どのような場合に使えるか

図形の種類など、公式が成り立つ前提です。

3 対応

文字と数値の結びつけ方

公式の文字が、問題のどの数値にあたるかを決めます。

公式を知っている

↓

使える条件を確認する

↓

問題の情報と対応させる

↓

自分で式を立てられる

「知っている」状態から「判断できる」状態へ進むことが、公式を使えるようになる第一歩です。

公式を覚えたのに使えない5つの理由

公式を使えない理由は、大きく5つに分けられます。当てはまるものがないか、確認してみてください。

理由 1

記号の並びとして覚えている

よくある状態:公式の文字列は書けるが、各文字が何を表すか説明できません。

改善の方向性:公式を日本語で説明する練習をします。

理由 2

使える条件を確認していない

よくある状態:見た目が似ている図を見ると、すぐに公式を使ってしまいます。

改善の方向性:公式と使用条件をセットで覚えます。

理由 3

問題文を図や式に置き換えられない

よくある状態:数字は見つけられても、式を立てられません。

改善の方向性:分かっていることと求めるものを分けて整理します。

理由 4

例題の手順だけを覚えている

よくある状態:数字が変わるだけなら解けますが、聞き方が変わると止まります。

改善の方向性:手順だけでなく、公式を選んだ理由を確認します。

理由 5

公式を自分で選ぶ練習が足りない

よくある状態:単元別の練習なら解けますが、単元が混ざると選べません。

改善の方向性:類題、変形問題、混合問題へ段階的に進みます。

それぞれの理由を、もう少し詳しく見ていきます。

理由1 記号の並びとして覚えている。文字の並びだけを覚えていると、数値を入れる場所は分かっても、公式が表す関係までは理解できません。そのため、形が変わった問題に対応しにくくなります。「この文字は何を表す?」と聞かれて日本語で答えられるかどうかが、目安になります。

理由2 使える条件を確認していない。数学の公式は、どのような場合でも使えるわけではありません。たとえば相似比と面積比の関係は、図形が相似であると確認できてはじめて使えます。見た目が似ているだけで選ぶと、誤答につながります。

理由3 問題文を図や式に置き換えられない。文章題には、公式がそのままの形では書かれていません。数字を探すだけでなく、その数字が何を表すのかを確認しましょう。必要に応じて図を描き、分かっている数値と未知数を書き込みます。単位も一緒に整理します。

理由4 例題の手順だけを覚えている。解説を読んで分かることと、自分で解法を選べることは別です。例題を閉じた状態で、考え方を説明しながら解き直してみましょう。「なぜこの公式を選んだのか」を言葉にすることがポイントです。

理由5 公式を自分で選ぶ練習が足りない。単元別の練習では、使う公式が最初から分かります。ところが入試や応用問題では、自分で解法を選ばなければなりません。問題数を増やすだけでなく、公式を選ぶ練習が必要です。

三平方の定理は、いつ使える?

具体例として、中学3年で学ぶ三平方の定理を取り上げます。この例で大切なのは、計算より前の判断です。「公式を思い出す」より前に、「公式を使える条件がそろっているか」を見ることが重要です。

公式

a2+b2=c2

使える条件

この公式は、直角三角形で使います。直角三角形であることが示されていなければ、原則として自動的には使えません。まず、直角の位置を確認します。

文字の意味

直角を挟む2辺 → aとb

直角の向かい側の斜辺 → c

どの辺をcにするかは、数字の大きさだけで決めません。直角の位置から決めます。

具体例の計算

直角を挟む2辺の長さが6cmと8cmで、斜辺をxcmとします。

x2=62+82

x2=36+64

x2=100

x=10

答え:10cm

公式を選ぶまでの判断フロー

直角三角形か

↓

斜辺はどれか

↓

分かっている辺はどれか

↓

何を求めるのか

↓

公式に対応させる

↓

計算と単位を確認する

数字の大きさだけを見て最大の辺をcにしてしまうと、直角の位置を確認する習慣が育ちません。公式を覚えていることと、使える条件を判断できることは別の力です。

原因と必要な練習を整理しましょう

ここまでの内容を、表にまとめます。

使えない原因 よくある状態 必要な練習
記号の並びだけを暗記している 文字の意味を説明できない 公式を日本語で説明する
使用条件を確認していない 似た図を見るとすぐ公式を使う 公式と使用条件をセットで覚える
問題文を整理できない 数字は見えるが式を立てられない 分かっていることと求めるものを分ける
例題の手順をまねしている 聞き方が変わると解けない 公式を選んだ理由を説明する
同じ種類の問題だけ解いている 単元が混ざると公式を選べない 類題から混合問題へ段階的に進む

計算する前に確認したい4つのこと

問題を解くときは、すぐに計算を始めません。次の4つの質問に答えてから、計算へ進む習慣をつけましょう。数学の文章題や応用問題では、分かっていることと求めるものを分けることが出発点になります。

質問 1

何を求める?

長さなのか、面積なのか、角度なのかを最初に言葉にします。

質問 2

何が分かっている?

数字だけでなく、その数字が何を表すかも確認します。

質問 3

公式を使える条件はそろっている?

直角、相似など、問題文や図で示されているかを見ます。

質問 4

文字と数値をどう対応させる?

公式の文字を、問題のどの数値にあてるかを決めます。

公式を使えるようになる5ステップ

公式を使えるようにするための練習は、次の5ステップで進めます。

STEP 1公式を書く

公式を、見ずに正確に書きます。暗記は土台として必要です。

↓

STEP 2文字の意味を説明する

公式の文字が何を表すのかを、日本語で説明します。

↓

STEP 3使用条件を確認する

公式を使える場合と、使えない場合を確認します。

↓

STEP 4問題の情報を整理する

問題文や図から、分かっている情報と求めるものを書き出します。

↓

STEP 5選んだ理由を説明する

答えを出した後、「なぜこの公式を使ったのか」を自分の言葉で説明します。

STEP5まで行うと、公式を選んだ理由が言葉になります。ここまでできると、問題の形が変わっても考え方を応用しやすくなります。途中式や図を省略せずに書くことも、判断過程を確認する大切な作業です。

公式ノートには「条件」も書く

公式をただ一覧にしても、使える力にはつながりにくくなります。次の5項目を1セットにしたノートを作りましょう。余裕があれば、「間違えやすい使い方」も書き加えます。

公式:a2+b2=c2

目的:直角三角形の辺の長さを求める

文字の意味:aとbは直角を挟む2辺、cは斜辺

使用条件:直角三角形であること

簡単な例題:直角を挟む2辺が6cmと8cmのとき、斜辺は10cm

間違えやすい使い方:直角を確認せずに使う

ノートをきれいに作ること自体は目的ではありません。優先したいのは、自分で説明できることと、問題で使えることです。

保護者の方に見てほしいのは、答えより判断過程

保護者の方へ

答えが合ったかだけでなく、なぜその公式を選んだのかを確認してみてください。

「公式を覚えているなら解けるはず」と決めつけなくて大丈夫です。説明できない場合は、理解がまだ曖昧な可能性があります。それは能力の問題ではなく、練習の順番の問題であることが多いものです。

  • 難しい問題を増やす前に、基本問題で判断過程を確認する
  • 途中式や図を書くことを、遠回りだと考えない
  • すぐに答えを教えず、「何を求める?」「使える条件は?」と問いかける

声掛けの例

この問題では、何を求めるの?
この公式を使える条件はどこにある?
公式の文字と、どの数値が対応する?
ほかの公式ではなく、なぜこれを使うの?

公式と問題をつなぐ練習をしよう

この記事のまとめ

  1. 公式の意味と文字の役割を説明する
  2. 公式を使える条件を確認する
  3. 問題の情報を図や式に整理する
  4. 公式を選んだ理由を言葉にする

数学の公式が使えないとき、暗記量だけを増やす必要はありません。公式と問題をつなぐ判断過程を、一つずつ練習することが大切です。

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2026年10月4日日曜日

【我が家の教育―中学受験】受験生の夏に、オーストラリアへ ―勉強を離れた時間と、その後の現実

 

シリーズ「息子と歩いた、二つの受験」

息子と歩いた中学受験 #03

受験生の夏に、オーストラリアへ

―勉強を離れた時間と、その後の現実

受験勉強から離れた夏。その後の結果も含めて、わが家の受験でした。

前回は、送迎できるのが基本的に日曜日だけだったわが家が、浜学園のWeb受講を中心に中学受験を進めたことを書きました。

今回は、その中学受験の日々のなかでも、とくに一般的な受験の過ごし方とは違っていた、小学6年生の夏を振り返ります。受験まで残り半年ほどとなるその時期に、息子はオーストラリアへ向かいました。

私は今、個別指導塾で教室長として、また講師として、保護者の方とお話しする立場にいます。けれども当時は、教育の仕事をしていても、わが子の受験では一人の保護者でした。ここに書くのは、その保護者として実際に過ごした夏と、その後に受け止めた結果の記録です。

小学6年生の夏、わが家は少し違う道を歩きました

中学受験では、小学6年生の夏は「受験の天王山」と表現されることの多い、大切な時期です。夏期講習や総復習に取り組み、勉強量を増やすご家庭も少なくありません。

その時期に、わが家の息子はオーストラリアへホームステイに行きました。わが家の夏は、一般的な受験生の夏とは少し違うものになったのです。

この記事は、ホームステイをすすめるものではありません。もちろん、夏に勉強を優先したご家庭の選択を否定するものでもありません。ひとつの家庭に起きたことを、そのまま書き留めておきたいと思います。

受験勉強から離れた夏休み

中学受験を控えたこの夏休みの間、息子は受験勉強をほとんどしませんでした。

入試までの残り時間を考えれば、学習面に空白が生まれたことは確かです。その事実を、あとから美化するつもりはありません。

かといって、勉強から離れたことが良かったとも、夏を無駄にしたとも、私は言い切れずにいます。ただ、そのような夏だった、という事実があります。

帰国後、9月の公開テスト

帰国後の9月、息子は公開テストを受けました。

結果は、偏差値がそれまでと比べておよそ20下がったというものでした。小さな下落ではありません。成績を見た私は、少し動揺しました。

9月の公開テストは、受験勉強から離れたあとの現在地を、数字ではっきりと示してくれました。偏差値が下がったという現実は、そのまま受け止めるしかありませんでした。

受験勉強から離れた夏。その後に成績が下がったことも、わが家の中学受験の一部でした。

息子は、焦っているようには見えませんでした

少なくとも親から見る限り、息子は焦っているようには見えませんでした。

本人の本当の内面までは、私には分かりません。心の中でどう感じていたのかを、私が代わりに語ることはできないのです。それでも、落ち着いて見えるその様子は、親にとって安心材料のひとつになりました。

私自身は、結果を見て少し動揺しました。ただ、その気持ちを必要以上に膨らませることはしませんでした。数字を見て揺れる自分の気持ちと、目の前にいる息子の様子を、分けて見るようにしたのです。

一枚の成績表で、それまでの力を否定しない

私には、息子は「もともとはできている」という信頼がありました。

偏差値が下がったことと、これまで身につけた力がすべてなくなったことは、同じではありません。一度の公開テストだけで、中学受験全体の結論を出すことはしませんでした。

偏差値が下がったからといって、それまで息子が積み重ねてきた力まで、一緒になくなったわけではありません。

親子ともに、必要以上に悲観することはありませんでした。「なるようになる」という気持ちで、次に必要なことへ進んだのです。

この「なるようになる」は、何もせずに待つという意味ではありません。目の前の結果はきちんと受け止めたうえで、気持ちだけは沈み込まないようにする。私にとっては、そのための言葉でした。

選択の結果も含めて、次へ進む

ホームステイに行ったという選択を、合否や偏差値だけで、正解か不正解かに分けることはしませんでした。

ただ一方で、受験勉強から離れたあとに、学習面の立て直しが必要だったことも事実です。

終わった夏を悔やむより、今の息子に何を戻す必要があるのかを考えました。そこで立て直しの中心にしたのが、もともと得意だった算数と理科です。

算数では基礎問題集を使い、決めた時間内に多くの問題を解きました。ミスがなくなるまで繰り返しました。理科では重要語句の抜け落ちがないかを確認し、図鑑を広げて、図と知識を結びつけながら覚え直しました。

詳しい進め方は、次回以降に書きます。

夏から11月までの流れ

小学6年生の夏

オーストラリアへホームステイ
受験勉強から大きく離れる

9月

公開テストで
偏差値がおよそ20低下

立て直し

得意だった算数と理科を中心に、基礎と精度を確認

11月

公開テストで巻き返し

今、振り返って思うこと

この経験は、「受験生も夏に勉強しなくてよい」という話ではありません。小学6年生の夏にホームステイへ行くことを、おすすめする記事でもありません。

家庭によって、大切にしたい経験も、受験への向き合い方も異なります。そして、どのような選択をしても、その後に現実的な影響が出ることはあります。わが家の場合、それが9月の成績でした。

大切なのは、結果を見て選択そのものを責め続けることではなく、現在地から必要なことを考えることだと、今は思っています。一度の偏差値で、それまでの努力や子どもの可能性まで否定しないこと。そして、親が不安になったときほど、数字と子ども本人の様子を分けて見ることが必要だと感じています。

この経験を、すべての受験生へ勧めるものではありません

小学6年生の夏の過ごし方は、志望校、学力、塾の予定、そして家庭の考え方によって、それぞれ異なります。

この記事は、夏休みに勉強しないことやホームステイを推奨するものではありません。わが家では、その後に成績が下がり、学習の立て直しが必要になりました。

どうか、ひとつの家庭の経験として、静かに読んでいただければ幸いです。

今、受験期にいる保護者の方へ

秋の模試や公開テストで成績が大きく下がると、不安になるのは自然なことです。中学受験の保護者として、心が揺れない方のほうが少ないのではないでしょうか。

その結果を軽く扱う必要はありません。けれども、一度の数字ですべてを決める必要もないと思います。

「なぜ下がったのか」を考えることに加えて、「どこからなら戻せるのか」にも目を向けてみてください。過去の選択を責めるよりも、今できることへ視線を戻す。そのための第一歩が、成績の立て直しにつながることもあります。

子どもの状態は、家庭ごとに違います。お子さんの様子を見ながら、それぞれのご家庭に合った立て直し方を考えてもらえたらと思います。

次回予告

次回は、9月の成績低下のあと、なぜ苦手科目を広くやり直すのではなく、得意だった算数から立て直したのかを振り返ります。

学習のご相談について

模試や公開テストで成績が大きく下がり、どこから立て直せばよいか分からないときは、ご相談ください。答案や普段お使いの教材を確認しながら、現在の課題を一緒に整理いたします。

トライプラス諸口校 無料体験授業・学習相談を受け付けております。

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英語の長文、単語の意味は分かるのに読めない本当の理由

 

英語長文・読解力

英語の長文、

単語の意味は分かるのに読めない本当の理由

必要なのは、単語と文章をつなぐ力です

単語は分かる。それでも読めないのはなぜ?

「英単語テストでは点数が取れるのに、英語長文になると内容が頭に残らない」。

「一つ一つの単語は分かるのに、文全体の意味がつかめない」。

このような「単語は分かるのに長文が読めない」という相談は、中学生にも高校生にも、とても多くあります。保護者の方も、お子さんの様子を見て「単語はやっているのに、なぜだろう」と心配されているかもしれません。

教室で生徒を指導していると、このタイプの生徒は決してサボっているわけではありません。むしろ真面目に単語帳を開いている生徒が多いのです。足りないのは努力ではなく、練習の「段階」であることがほとんどです。

単語の意味が分かることと、文章が読めることは同じではありません。

長文は「単語の足し算」ではありません

英文は、単語を並べただけのものではありません。単語どうしがつながり、文になり、さらに文が集まって段落になります。そこには決まりごとと流れがあります。

長文読解では、単語の知識に加えて、次の力が必要になります。

  • 文の骨格(主語と動詞)を見つける力
  • 意味のかたまりで読む力
  • 修飾関係を整理する力
  • 代名詞や接続語から文章のつながりを追う力
  • 一文ごとの内容をつなぎ、段落の要点を捉える力

ただし、単語学習が不要だという話ではありません。単語力は英文読解の大切な土台です。土台があるからこそ、次の段階の練習が生きてきます。単語を覚えることと文章を読めることの間には、もう一段階の練習が必要なのです。

つまり、「単語を日本語へ置き換える作業」から、「英文の構造と流れを捉える読み方」へ切り替えていくことが、英文読解の第一歩になります。

読めない5つの原因

長文が読めない理由は、大きく5つに分けられます。自分やお子さんがどこで止まっているのか、確認しながら読んでみてください。

理由 1

知っている単語を一語ずつ訳している

よくある状態:文の後半を読むころには、前半の内容を忘れてしまう。

改善の方向性:意味のかたまりで、英語の語順のまま大意を取る。

理由 2

主語と動詞を見つけられていない

よくある状態:長い文のどれが中心の動詞なのか、分からなくなる。

改善の方向性:まず文の骨格を探し、必要に応じて目的語や補語を確認する。

理由 3

どの言葉がどこを説明しているか分からない

よくある状態:修飾先を取り違えて、文全体の意味が変わってしまう。

改善の方向性:説明部分を括弧で囲み、何を説明しているか確認する。

理由 4

代名詞と接続語を読み飛ばしている

よくある状態:文と文のつながりを見失い、話の方向が分からなくなる。

改善の方向性:指示内容と論理関係を確認しながら読む。

理由 5

段落の要点を捉えていない

よくある状態:一文は訳せても、何の話だったのか残らない。

改善の方向性:段落ごとに一言でまとめる。

理由1 一語ずつ日本語に置き換えている

英文を一語ずつ日本語へ変換していくと、文が長くなるほど最初の内容を忘れやすくなります。さらに、英語と日本語は語順が異なります。後ろから戻って訳す癖がつくと、英文読解の速度はなかなか上がりません。

ここで意識したいのは、単語ではなく「意味のかたまり」で捉えることです。意味のかたまりとは、前置詞句(in the park など)、不定詞(to understand など)、関係詞節(that 〜 など)といった、ひとまとまりで意味を持つ単位のことです。

また、最初から完璧な日本語訳を作る必要はありません。英語の語順のまま、まず大意を取る練習をしていきます。

理由2 主語と動詞を見つけられていない

どんなに長い英文でも、中心となる主語と動詞があります。ところが、関係詞節や前置詞句が入ると、「どれが文の中心の動詞なのか」が分からなくなる生徒が多く見られます。

そこで、まず主語と動詞を見つけ、必要に応じて目的語や補語を確認します。すべての単語に細かく記号を付けることが目的ではありません。目指すのは、文の骨格を捉えることです。

理由3 修飾関係を整理できていない

関係代名詞、分詞、不定詞、前置詞句などは、別の言葉を詳しく説明する働きをします。単語の意味を知っていても、修飾先を間違えると文全体の意味が変わってしまいます。大切なのは、どの言葉が何を説明しているかを意識することです。

練習として、長い部分をいったん括弧で囲み、何を説明しているのか確認します。次に、修飾部分を外して文の骨格を読み、その後で詳しい情報を戻していきます。この方法は、次の図解で具体的に紹介します。

理由4 代名詞と接続語を読み飛ばしている

it、they、this、that などの代名詞が何を指すのかを確認しないまま読み進めると、文と文のつながりが分からなくなります。

また、however、therefore、for example、in addition などの接続表現は、話の方向を示す大切な目印です。逆接、因果、具体例、追加といった関係を見分けることで、筆者の言いたいことが見えやすくなります。

単語の意味だけでなく、文と文の関係を追うこと。これも英文読解に欠かせない力です。

理由5 段落の要点を捉えていない

一文ずつ日本語にできても、「何について書かれた段落か」が分からないことがあります。一文を読むたびに細部だけを覚えようとすると、文章全体の流れを見失いやすくなるためです。

段落ごとに「話題」「筆者が伝えたいこと」「具体例」を整理し、段落の要点を一言でまとめる練習が有効です。設問を解くときも、本文のどこに根拠があるかを確認する習慣をつけましょう。

長い英文は、まず骨格から読む

次の英文で、英文読解の基本を確認してみましょう。単語は中学レベルでも、関係詞節と比較が入ると、読みにくく感じる生徒が多い文です。

The book that my English teacher recommended was easier to understand than I expected.

主語・骨格 動詞 修飾部分 比較部分

STEP 1骨格を確認

文全体の主語は The book、中心となる動詞は was です。「The book was easier(その本はより簡単だった)」が文の骨格になります。easier to understand は「より理解しやすい」という意味です。

STEP 2修飾部分を分ける

that my English teacher recommended は、The book を説明しています。「私の英語の先生が勧めた(本)」という意味です。これを中心部分と混ぜず、いったん括弧に入れて後から戻します。

STEP 3意味をつなぐ

than I expected は、比べる基準を示しています。すべてをつなげると「私の英語の先生が勧めたその本は、私が予想していたより理解しやすかった」となります。

読み方の流れは、次のようになります。

主語と動詞を見つける
↓
修飾部分を分ける
↓
意味のかたまりで読む
↓
文全体の意味をつなぐ

この例のように、先に骨格をつかんでから詳しい情報を戻すと、長い英文も落ち着いて読めるようになります。

読めない原因・状態・練習方法の比較表

ここまでの内容を、表にまとめます。気になる行から確認してみてください。

読めない原因 よくある状態 必要な練習
一語ずつ訳している 文の後半で前半の内容を忘れる 意味のかたまりごとにスラッシュを入れる
主語と動詞が分からない 文の中心が見えない 主語と中心動詞を先に探す
修飾関係が曖昧 どの言葉を説明しているか分からない 修飾部分を括弧で囲む
代名詞や接続語を読み飛ばす 文と文のつながりを見失う 指示内容と論理関係を書き込む
段落の要点をまとめていない 一文は訳せても全体の内容が残らない 各段落を一言でまとめる

※スマートフォンでは、表を左右にスクロールして確認できます。

長文が読めるようになる4つの練習

英語の勉強法として、次の4つのステップを順番に進めます。いきなり長文全体を読もうとせず、まず一文から始めることがポイントです。

STEP 1一文の主語と中心動詞を見つける

まず、短めの英文で主語と中心動詞に印を付けます。関係詞節や前置詞句は、いったん後回しにします。

↓

STEP 2前置詞句・関係詞節・不定詞を意味のかたまりに分ける

スラッシュや括弧を使って、かたまりごとに区切ります。区切ったら、それぞれが何を説明しているかも確認します。

↓

STEP 3代名詞が指す内容と、接続語が示す関係を確認する

it や they が何を指すのかを書き込みます。however や for example などは、逆接・具体例といった関係を余白にメモします。

↓

STEP 4一文の意味をつなぎ、段落ごとに一言で要約する

段落を読み終えたら、「この段落は何の話か」を日本語で一言にまとめます。短くても構いません。

精読してから、読む速度を上げる

練習の日を、「構文を確認する日」と「時間を測って読む日」に分けると、取り組みやすくなります。大切なのは順番です。精読してから読む速度を上げる、という流れにします。

構文を確認する日

精読

  • 主語と動詞を確認する
  • 修飾関係を整理する
  • 知らない表現を確認する
  • 文章の根拠を確かめる

時間を測って読む日

速読練習

  • 精読済みの英文を再読する
  • 意味のかたまりで読む
  • 英語の語順を意識する
  • 内容を理解できる速度で読む

注意:理解しないまま速く目を動かすことは、速読練習ではありません。

初めて見る難しい英文を、理解できないまま速く読んでも力にはなりません。まず精読で構造を確認し、その英文を再び読むことで、意味のかたまりで読む感覚が身につきやすくなります。

保護者の方に確認してほしいこと

保護者の方へ

長文が読めない原因は、単語不足だけとは限りません。

「単語を覚えていないから読めない」と決めつけず、単語テストの結果だけで読解力を判断しないことが大切です。次の点を、お子さんと一緒に確認してみてください。

一文の主語と動詞を説明できるか
どの部分がどの言葉を説明しているか分かるか
代名詞が何を指しているか分かるか
段落の内容を一言でまとめられるか

音読ができているかだけでなく、英文の構造を理解しているかも見てあげてください。和訳の正確さだけでなく、段落の要点を説明できるかも目安になります。

長文が苦手な場合は、難しい長文を増やす前に、一文の読み方を確認しましょう。「もっとたくさん読めばよい」と考えるより、どこで止まっているのかを見つけることが近道になります。

必要なのは、単語と文章をつなぐ練習

この記事のまとめ

  1. 単語を一語ずつ訳さない
  2. 主語と中心動詞を先に見つける
  3. 修飾部分と文のつながりを整理する
  4. 段落ごとの要点をまとめる

英語長文が読めないとき、すぐに長文問題の量を増やす必要はありません。まずは一文の構造を正しく捉え、意味のかたまりで読む練習から始めることが大切です。単語力という土台の上に、文章を読む力を一段ずつ積み上げていきましょう。

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「単語は覚えているのに長文が読めない」「英文のどこから読めばよいか分からない」という場合は、つまずいている段階を確認し、必要な学習内容を整理します。お気軽にご相談ください。

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