算数の偏差値が60を超えない。
―もどかしい気持ちを抱えている受験生へ―
「もうすぐ受験なのに、算数の偏差値がなかなか60を超えない…」
「応用問題になると手が止まってしまう。あと少しなのに点数が伸びない」
「計算はできているのに、模試ではいつも悔しい思いをしている」
このように、偏差値60目前で壁を感じている小6受験生、そしてその保護者の方に向けて、
今回は“偏差値60の壁”を突破するための具体的な勉強法をお届けします。
基本は身についている。
だからこそ、「あと一歩」がもどかしい。
その「一歩」を乗り越えるには、計算力や知識の暗記だけでなく、
自分で考え抜く力=思考力が必要です。
◆なぜ偏差値60の壁が厚いのか?
中学受験において偏差値60は、
「できる子の中でも頭ひとつ抜けている層」と位置づけられます。
このレベルになると、出題される問題は次のような性質を持ち始めます。
-
パターン暗記では解けない構造
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ひとつの問題に複数の知識を組み合わせる必要がある
-
出題の“意図”を読み取る読解力
-
見慣れない条件への柔軟な対応力
つまり、「教えてもらった通りに解く」勉強では通用しなくなり、
自分で考え、判断し、解き進める“本質的な力”が問われるのです。
では、偏差値60を目指す子がぶつかりやすい5つの壁と、
その乗り越え方を見ていきましょう。
一番最後に、私がよく塾生に伝えている大切なこと、をお伝えしますね。
◆壁1:「わかっているのにミスをする」——原因は“処理の雑さ”と“焦り”
模試や過去問演習で最も多いのが、
「理解はできているのに、凡ミスで点数を落とす」パターンです。
これは非常にもったいない。
▶具体的な改善策
1.「途中式をきれいに書く」練習を毎日取り入れる
解法の道筋を途中式で明確にすることで、自分の考えを“見える化”できます。
頭の中だけで処理せず、
「どこで間違ったのか」「なぜそうなるのか」
を自分の目で確認できる形に残すことが重要です。
よくあるのが、普段勉強するときに、筆算を消してしまうこと。
計算で間違えているのか、最初の立式で間違えているのか、
なぜ間違えているのか?がわからなくなってしまう。
それを自分で理解し、その後で間違えないように練習する。
ということが大切です。
2.「1日5分の計算チェックタイム」
ミスは量ではなく“習慣”で減らせます。
単純な四則計算を毎日タイマーで5分。
解いたあとに「答え合わせ&自己分析」をする。
これだけで、驚くほど計算力と精度が上がります。
3.「自分のミスノート」を作ろう
その日の間違いはその日のうちに記録。
「どう間違ったか」「なぜそう思ったか」を書き出すことで、
自分の弱点の“癖”に気づくことができます。
◆壁2:「時間配分ができず、最後まで解ききれない」
実力はあるのに、試験時間内にすべて解き終えられない——。
これは、問題ごとの“優先順位”を判断できていないことが原因です。
▶具体的な改善策
1.「問題の取捨選択」を練習する
例えば模試や過去問を使って、
「10分で3問、どれを選ぶか」を練習する。
解く前に見渡して、「確実に得点できる問題」から手をつける習慣をつけましょう。
2.「時間ログを残す」
1問ごとにかけた時間をメモし、模試後に見返す。
「どこでつまずいたか」「かけすぎた部分はなかったか」などを分析すれば、
次回に活かせます。
3.「解答欄から先に見る練習」
ときには解答欄の形式から問題のゴールを予想して、
無駄な読み取りを減らす工夫も大切です。
特に図形や速さの問題では、答えの単位や形を見て、
アプローチを柔軟に変えていく力が問われます。
自分を知ること、は戦略の一つ。
得手不得手の問題により、もちろんかかる時間にも違いが出てきます。
どの問題にどれくらい時間がかかるのか、そこはしっかりと押さえておきましょう。
◆壁3:「解く順番を誤って失点する」——“真面目な子”ほど陥りやすい
模試や試験で
「1問目から律儀に順番通りに解こうとして、時間が足りなくなる」という子は多いです。
▶具体的な改善策
1.「問題のマーキングルール」を決める
模試でのおすすめルール
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◎=すぐに解く
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○=少し時間が必要
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△=飛ばして後回し
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×=解かない(時間を取られる)
このルールで全体を見てから手をつけると、無駄なく得点を積み上げる順番で解けます。
2.「スキップ練習」をあえて行う
過去問演習で、「あえて全部解かずに、何点取れるか」に挑戦する日をつくりましょう。
合格点を確実にとる“取捨選択スキル”が鍛えられます。
◆壁4:「応用になると止まる」——基本の“本質理解”が浅い
表面的な公式暗記や解き方の型だけでは、少しひねられた問題に対応できません。
「なぜそうなるのか」を納得する力=本質理解がカギです。
▶具体的な改善策
1.「自分の言葉で説明する」
おうちの方に「これ、どう解いたの?」と聞かれて、スラスラ答えられますか?
説明できない解法は、本当の意味で理解できていません。
言葉で説明できる=理解が定着している証拠です。
2.「図や表を自分で作る」
問題に与えられた図だけでなく、
「自分で補助線を引く」「別の方法で考えてみる」といったアプローチは、
本質に近づくための第一歩です。
3.「なぜその式になるか」を必ず振り返る
解いた後に「この公式、なぜ使ったの?」「他の方法は?」と問い直すだけで、
思考の幅と深さが大きく広がります。
◆壁5:「緊張しやすくて実力を発揮できない」
実力はあるのに、模試や本番ではガチガチに緊張してしまう——。
これは“心のトレーニング不足”とも言えます。
▶具体的な改善策
1.「緊張は悪いことではない」と受け入れる
「緊張してるからダメだ」と思うと、さらに緊張してしまいます。
緊張=本気の証拠と捉えましょう。
日々の演習も“本番モード”で行えば、「緊張してもできる自分」に変わります。
2.「ルーティンを作る」
試験前に深呼吸、手を握る、心の中で「いける」と唱える
——些細な行動でも、心を落ち着ける“お守り”になります。
練習でも毎回同じ動作をしておくことで、本番でも自然と心が整います。
3.「うまくいかなかった日の自分」を許す
一度のミスや失敗で自信をなくさないよう、
振り返りと同時に「頑張った自分」を認めてあげることが、
受験期の安定したメンタルにつながります。
◆まとめ:偏差値60突破は「才能」ではなく「戦略と積み重ね」
偏差値60という壁は、決して“特別な才能”を持つ子だけが超えられるものではありません。
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ミスを防ぐ仕組みをつくる
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時間配分や順番に戦略を持つ
-
本質的な理解を深める
-
心を整えるトレーニングをする
これらはすべて、“意識すれば今日からできること”ばかりです。
悩んでいる今こそが、伸びるチャンスです。
今抱えている課題を“武器”に変えていきましょう。
◆最後に:教室長からお伝えしたいこと
テストでは、自分の実力の100%を出し切りたい!
それは皆が思うことです。
ですが、実際に試験に挑んでみると、ココできたはずなのにミスってる!!
なんて言葉。よく耳にします。
上記に述べた点に加えてお伝えしたいこと。
それは、
普段から100%の力で勉強に挑むこと。
普段の勉強で、中途半端な勉強をしていると、
普段の行動が実際の試験に現れてしまいます。
この問題、難しいから、まぁいっか~。
とか
今日はゆっくり解いて・・・、結局あまり勉強が捗らなかった。
など、こんなことを繰り返していると、とんでもないことに。
本番で、まぁいっか~、今日はゆっくり解こう。
なんて言えますか?
変な思考癖をつける前に、いつでも本番さながらの感覚を持って勉強に取り組んで
もらいたいと思います。
ですので、やるときはやる!やらん時はやらん!!
メリハリをつけた日々の行動は大切なのです。
そして、もし一人での対策が難しいと感じたら、ぜひ私たちにご相談ください。
トライプラス諸口校では、お子さま一人ひとりの課題に応じた算数指導を行い、
「あと一歩」の壁を共に乗り越えるサポートをしています。
\偏差値60超えの第一歩は、“考え方”を変えることから。/
いつでもご相談、お待ちしております。

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